不眠症

 
報告者: 國井 継之介(ファインカイロプラクティック

 

【患者】 52歳 女性 介護福祉士
【主訴】 肩こり、疲労感
【副訴】 不眠
【病歴】 数ヶ月前より肩こりや疲労感が強くなった。
思い当たる原因として、4月ごろから不眠になっている。
【症状】 背部の疲労感 、胸頚部のコリ感、肩頚部のコリ感
入眠障害、中途覚醒
【既往歴】 特になし
現在通院中の症病なし
服用薬なし
【施術】 [1回目~2回目]
主訴である、肩こり、疲労感に対して、施術を行う。

[3回目]
肩こりが感じなくなってきた。
寝つきにくい感じ、眠りが浅い感じは続いている。
施術を受けた日はなぜかよく寝られる。
(主訴の改善から、不眠へとアプローチする同意を頂き、不眠へとアプローチをする。)
□場面イメージによる脳の誤作動の調整
・自宅での寝るとき
・職場での夜勤での寝るとき
・寝る前にしている動作
・寝ている姿
・起床時

[4回目]
途中で目を覚ます事はあるが、以前の様な寝られない感じがなくなってきた。
□場面イメージによる脳の誤作動の調整
・自宅で寝るとき→陽性
└「聴覚」・・・心臓の音
└「臭覚」・・・アロマの香り
・職場での夜勤での寝るとき→陰性
・寝る前にしている動作→陰性
・寝ている姿→陰性
・起床時→陽性
└「聴覚」・・・TVの音
前回施術した場面イメージで、今回も陽性反応が継続した場面イメージにおいて、五感情報との関連を調べ、陽性反応が得られたその五感情報も加えPCRT調整を施した。

[5回目]
施術後2~3日間は、普通に寝られた。
その後は、途中で目を覚ますが直ぐに寝付ける様になってきた。
場面イメージの誤作動の検査
・起床時のイメージ→陰性
・自宅での寝るときのイメージ→陽性
└「五感情報」→陰性
└「感情」→陽性
└「不信」+「自分自身」・・・?
自覚的ストレスでの脳の誤作動の検査
・寝られなかったらまた明日が辛い
・明日も頑張らないといけない
今回陽性反応が継続した自宅で寝るイメージでは、五感情報では陰性反応を示したが、感情的な関連を調べると陽性とわかり、感情チャートに従い感情を特定した。
しかし、特に認識できるストレス反応が無かった事もあり、感情レベルの施術を施す導入として、患者の自覚的ストレスからチェックする事とし、検査によって陽性と得られた感情に対してPCRT調整を施した。

[6回目]
□場面イメージでの脳の誤作動の検査
・自宅で寝るイメージ→陽性
□自覚的ストレスでの脳の誤作動の検査
・寝られなかったらまた明日が辛い→陰性
・明日も頑張らないといけない→陽性
└ 「感情」→義務感
└頑張ってない自分は認められない。
「明日も頑張らないといけない」というイメージで陽性反応が継続していたので、感情チャートからそのイメージに関連する感情を導き出すと、「義務感」というキーワードが出てきた。頑張っていない自分は認められないので、常に頑張ろうという義務感があるのかもしれないという事が分かった。
・「頑張ってない自分は認められない」
└頑張って得られるものは何か?
→ 充実感などエネルギー(輝き)に満ちた私 → 陰性反応
イメージを具体化する為に、更に質問を重ね、頑張って得られるものは何かを尋ねると、「充実感などエネルギーに満ちた私」という答えが出てきた。
明日も頑張らなければいけないという陽性反応に対して、充実感などエネルギーに満ちた私というイメージで書き換えることで、身体のバランスが整う事がわかったので、そのイメージでPCRT施術を行った。

[7回目]
気持ちが楽になってきた。
眠りが浅いという事はなくなってきた。
□前回のストレスチェック
└ 「自分自身」+「不信感」 → 陰性
└ 場面:夜寝るとき → 陰性
└ セルフイメージ → 陽性
「途中で目を覚ます寝てる映像」
前回で陽性だったイメージでも陽性反応が出なくなっていた。
□セルフイメージ 寝付けずにいる自分自身 → 陽性
この陽性反応に対して、プラスのイメージでPCRT調整を行う。

[8回目]
前回施術後から、寝られないという事は無かった。
前回のストレスチェック
└ 「自分自身」+「不信感」 → 陰性
└ 場面:夜寝るとき → 陰性
不眠に対する、アプローチを終了した。

【考察】 寝るときのイメージで陽性反応を繰り返していたが、そこで出てきた感情をみていった事で、頑張っていない自分は認められない。という感情の背景には、充実感にあふれた自分で有りたいという気持ちがある事に辿り着きました。
日々忙しくされている方ですし、頑張っていない自分は認められない方なので、ご自身でも頑張っている自分を自覚しています。頑張る自分を意識するのではなく、充実感を得る自分を意識する事が大切だと気づかれた様です。
誰もが意識して寝入る訳ではなく、自然と寝入る事になります。
つまり潜在意識や無意識が寝入る事に関係している事になります。
自分では意識することの出来ない潜在意識が誤作動を起こし、体を休める事が困難になっている状態に対して、脳の誤作動を切り替えていく心身条件反射療法の可能性を不眠症にも大きく感じます。