思い出しただけで痛くなった腰痛・背部痛
報告者:瀬田 謙一(瀬田カイロプラクティック院)
【患者】 | 30代 女性、産後1ヶ月半、4ヶ月目から職場復帰予定 |
【病歴】 | 産後すぐに左腰部の痛み。 腰がずれている感じでグギッとなりそう。 動作時に鋭い痛み、特に前屈、寝ている子供を抱きかかえる時、階段を降りる時、寝がえりを打つ時、寝て起きる時。 左背部痛は、約二年前位から仕事でパソコンをしていると痛くなった。 最近は、授乳中に痛みが強くなり大変つらい。 腰痛・背部痛共に痛みは悪化している。治療は、マッサージを行っていた。 |
【検査】 | 心身条件反射療法(以下PCRT)による、神経言語反射検査、神経言語反射を使用し「感情」「五感」などを評価し検査を行った。 |
【治療】 | 神経言語反射使用し症状と関連するエネルギーブロック(EB)を特定していく。主に「感情」「五感」が多かった。三回目までは先にアクティベータメソッドを行い次に、PCRTを行った。四回目はPCRTだけを行った。 PCRTの神経言語反射を利用し症状と関連した「感情」「五感」 施術1回目:夫、育児、家事、仕事に関する事 腰のズレているイメージ・感覚の記憶 2回目:「閉塞」「拘束」「自虐」「信念」「不安」 3回目:「期待」「義務」「戦い」 背部痛のイメージ・感覚の記憶 4回目:「期待」「孤独」「義務」「信念」「戦い」 |
【1回目】 | アクティベータメソッド終了後、ご自分で認識しているストレスから検査、夫、子供、仕事など、詳しい内容は聞かずにパターン振動法にて調整。次に、腰のズレテいるイメージ・感覚の記憶が検査でわかったのでパターン振動法で調整。その場で腰の動作痛は改善。 |
【2回目】 | 十日後に来院。 左腰部の痛みは、前回施術後から二日目に再発、元に戻る。授乳中の左背部の痛みは約3割軽減中。 2回目からは、「腰の痛み」から神経言語反射を利用した。 「閉塞」「拘束」「自虐」などおもに育児を通して「世間から隔離された思い」「自由に外に出られない、自分の時間がない」「育児に対して思い通りに行かない事で自分自身を責める」など思いが関係。 また、「信念」仕事はしっかりやらなければならないと言う思いに対しもう少しで仕事に復帰しなければならない「不安」この痛みのままで仕事が出来るのかと言う思いが関係、その都度パターン振動法で調整。終了後その場で腰の動作痛は改善。 |
【3回目】 | 二週間後に来院。 左腰部の痛みは昨日までなかった。左背部痛は数日で元に戻る。 「左背部痛」から検査、夫に対しての「期待」、家事に対する「義務」、育児に対する「戦い」背部痛のイメージ・感覚の記憶などが関係。パターン振動法で調整。 終了後、その場で腰の痛みは改善。 |
【4回目】 | 一ヵ月半後に来院、数週前から職場復帰後、腰痛、背部痛共に再発。 前回と同じ感情が検査でわかったので思考パターンを深く掘り下げる事にする、過去の事を思い出すと腰痛や背部痛を感じた。 「期待」現在の職場の人に期待→そこから過去に掘り下げ保育園の頃、先生に期待するようになったきっかけを思い出す。 「孤独」現在の家庭で孤独感を感じる→保育園の頃、妹の喘息がひどく母がつきっきりで寂しくて孤独。 「義務」仕事に対して義務感しっかりやらなきゃ→妹の体が弱かった為、弟の面倒を見なきゃ 「信念」夫に育児、家事を絶対に頼らない→保育園の頃から絶対に母には甘えられない 「戦い」→いつも一人で「頑張らなきゃ」と言う思いでずっと今までやってきた事を思い出す。 その都度パターン振動法で調整し検査をして陰性を確認。そして、最後にもう一度すべて過去の事を思い出してもらったが痛みは出なくなっていた。 |
【経過】 | 半年たった現在、腰痛、背部痛共に痛みは再発していない。 |
【考察】 | 今回のポイントは「思い出すと痛くなる」事であった。 的確に心身の条件反射を体感できたタイプである。 初回この患者は、「腰のズレを矯正してほしい」と言われていた。その為、通常なら初回からのPCRTはあまり向いていない。 しかし、本人もストレスを自覚していたので言葉とは裏腹に本心ではPCRTを求めていたと思われる。 患者の求めるものが提供できたのがよい結果に繋がった。 また、今回のケースでは、出産、育児が引き金になった事がよくわかる。4回目の治療中、暫くの間、涙を流していた。 育児はこれからも続くので油断は出来ない。 PCRTでは、神経言語反射検査を通じて様々な事を検査できる。長期的にメンテナンスを行っていくことで今後の症状だけでなく家族関係や仕事関係などにもいい影響をもたらすと考えられる。 |