キャッチャーのピッチャーへの返球イップス
報告者:田中 翔大(しょう整骨院)
2019.9.5
【患者】 | 12歳キャッチャー ピッチャーへの返球をする際に上手く投げられず身体が思うように動かなくなり返球がワンバウンドになったり、思ったところに投げられない。他の内野手への返球、キャッチボールなどは出来るが、キャッチャーという立場でのピッチャーへの返球が上手くいかない。 ワインドアップからフォローの途中で身体が動かなくなり、モーションが止まってしまい、一旦止まったところから、フォローになるため、手投げになり思うように返球出来ない。 |
【目安検査】 | 右上肢挙上、9人いるピッチャーのうち2人のピッチャーで陽性反応 返球のフォームイメージでは陰性反応 |
【施術】 | 1回目 アクティベータ・メソッドを行った後、PRT検査を行うと右上肢挙上は陰性になる。 この時には特定のピッチャー2人では陽性反応はまだわかっていません。 漠然とピッチャーをイメージしてもらったが、陽性反応が出なかった為、9人のピッチャーを1人ずつイメージしてもらったところ、ここで特定のピッチャー二人が反応していることがわかる。 本人はピッチャーに返球する際に症状が出るとしか認識できていなかったが、よく考えるとこの特定の2人しか症状が出ないことを本人が自覚できたようでした。 ソフト面で大脳辺縁系→警戒心と出たため、本人に尋ねたところ返球の際上半身に返球するように気を付けていると回答がありました。 そこで反応が無くなったため、特定のピッチャー2人と警戒心で調整したところ、目安検査はすべて陰性になる。 2回目 10日後の来院になりNRSで評価をしてもらったところ、後3ぐらい残るとのこと。 目安検査 特定のピッチャー2人で再び陽性 ソフト面→大脳辺縁系→警戒心 再び警戒心で反応が出たため、なぜ上半身に投げないといけないのかと尋ねたところ、父親が現役の時にピッチャーをしていて「上半身に投げないとピッチャーが消耗してしまう」と言われたとのこと。 意念で「更に」で聞いたところ陽性で出たため、試合で上半身に投げ返せなかったことでトラウマなどはないかと尋ねたところ、特定のピッチャー2人に返球する際に下半身に何度か投げてしまった事があるとのこと。 意念で「他に」で陽性になったため検査をすると、自省心で反応。 その試合で自分に対して反省していることがあるかを尋ねると、「自分の返球の影響でピッチャーが消耗してしまい試合に負けたということを今でも考えてしまう」とのこと。 ここで反応が無くなったため、特定のピッチャー2人と自省心で呼吸調整。 目安検査陰性になったためこの日の施術は終了。 後日電話で練習でも試合でも症状が全くなくでなくなったことと、他のピッチャーに対しても強い球が返せるようになったと連絡を頂きました。 |
【まとめ】 | 本人は特定のピッチャー2人にイップスが出てしまうことを自覚出来ておらず、こちらの検査で自覚出来たことで、一気にPCRTへの信頼が強くなり、症状の改善に至ったと思います。 私は野球経験者ではないためキャッチャーをしていた友人にこの話をしたところ、キャッチャーはピッチャーに返球する際にピッチャーが消耗しないように気を遣うようで、他の内野手も牽制で返球する際に気を遣うという事を知れました。 |