イップス(アプローチイップス&パターイップス)
報告者:土子 勝成(つちこカイロプラクティック、ゴルファーズクリニック)
2013.12.18
【イップスの定義】 | イップス(Yips)は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のことである。(ウィキペディア参照) |
【患者】 | 51歳 男性 サラリーマン |
【主訴】 | コースでアプローチやパターの場面になると、冷や汗が出て、体が硬くなり、精神的に追い詰められる、通常のショットができない。 |
【病歴】 | アプローチイップス15年 パターイップス3年 |
【治療法】 | アクティベータ治療はベーシックのみで、ほぼニューロ・パターン・セラピーで治療。 |
【治療の中での重要なキーワード】 | 今回イップスの原因を探り治療を進めていく中で、イップス症状になるうる原因の大きな4つの項目が分かりました。 1. 人が見ている 2. 恐怖 3. イップスが治るのはおかしい 4. スイング理論 1.人が見ている イップスのきっかけになった場面を男性は良く覚えていました。アプローチもパターも悪いライからミスショットした事がきっかけでした。つまり、トラウマです。その時、同伴プレーヤーからの視線が脳裏に焼き付いているということに反応を示しました。 このトラウマを開放するために「認識」を用いて施術を行ないました。 2.恐怖 長期にわたるイップス症状ですので、「またミスするのではないか」という不安はいつも付きまとっている緊張パターンでした。 この恐怖は、男性の感じている恐怖を突き詰めて、たどり着くゴールを聞く過程で、上手く切り替える事が出来ました。恐怖に対する緊張パターンを開放するために「切り替え」を用いて施術を行ないました。 3.イップスが治るのはおかしい この反応も、長期にわたる症状のため、治らないと思い込んでいるところがありました。 この思いを開放するために「錯覚」を用いて施術を行ないました。 4.スイング理論 スイングへのこだわりが奥深くにある緊張パターンでした。長期にわたりイップス症状と付き合っていると、自分のスイングが悪いと思い、スイング矯正を行なってきたようです。 このパターンを開放するために「新しい情報の上書き」を用いて施術を行ないました。 |
【結果】 | 15年患っていたアプローチイップスは3回の治療で9割改善、3年患っていたパターイップスは4回の治療で9割改善しました。ここで言う9割とは男性の自己申告です。 |
【考察】 | 多くの日本人ゴルファーはこのようなトラブルに陥ると、スイングの矯正をしてさらに深い混乱に陥るようです。今回のイップスも、スイングをいじりわけが分からなくなっていました。早い段階でニューロ・パターン・セラピーを行なって、緊張するパターンを開放すれば、このように長期に苦しまなくてすんだと思います。イップスなど思考やトラウマが問題となっている障害に対して、ニューロ・パターン・セラピーが大いに効果的であると実感する症例でした。 |