乗り物酔い

 
報告者:西埜 義則(にしのカイロプラクティック院

2009.5.24

【患者】 30代女性、ご主人と男の子(3歳)の3人家族
【既往歴】 2年前に子宮外妊娠のOP
【主訴】 首~肩の強いコリと背部痛。子宮外妊娠のOP後、定期的な腹痛と頭痛
【その他症状】 幼少時より「乗り物酔い」に悩まされる
【施術】 当初、「首~肩の強いコリと背部痛」を訴えて来院されたので、4回目まではアクティベータ・メソッドによるアプローチをおこない、それらの症状はほとんど消失しました。

患者さま:
「子供の頃から、乗り物酔いで苦しんでいます。近々、家族旅行をするのですが、カイロで治りませんか?」

私:
「こころとからだの関係性を調べてみましょうか?乗り物酔いについてお手伝いできるか検査してみましょうか?」

患者さまに快諾していただけたので、5回目の来院より心身条件反射療法によるアプローチに切り替えました。

「緊張パターン」の絞り込みチャートに従って検査を進めると、次のように反応を示しました。

・大Cat→「モノ」「場面」
・時系列→「過去」(子供の頃)
・小Cat→「飲食」「場面」            
・五感→「視覚」「嗅覚」

これらについて詳しい分析をおこなうと、「幼稚園のバスで遠足」「友達がバスによって嘔吐」「吐瀉物」「臭い」というキーワードが、ご自身の口から発せられました。

この話をお聞きしている最中から、「鼻づまり」の症状があらわれました。

「乗り物酔いをするときには、いつも鼻が詰まってくるんです。それぞれの乗り物には、それぞれ特有の臭いを感じます。」

どうやら、イメージングをしているだけで、その状況が再現された様子でした。そして、心身条件反射療法のアプローチとアジャストメントを終えて、ご帰宅いただきました。

家族旅行を終えての来院で、「電車と飛行機に乗っても、快適に過ごすことができました。レンタカーでも全然大丈夫でしたし、楽しい家族旅行ができました。」と、良い結果が得られたことに、共に喜ぶことができました。

その後、定期的なメンテナンス・ケアで施術を継続し、健康管理の場として当院をご利用いただいています。

【まとめ】 ・カイロプラクティック的分析→上部頚椎の問題、もしくは副腎の機能低下が原因。 
・西洋医学的分析→各種の乗り物が発する振動によって、内耳の三半規管が身体のバランスを取れなくなることが原因。

これまでのカイロプラクティックでは、「この症状には、この部位をアジャストしなさい。」と、いった「お決まりのレシピ」に沿ったアプローチをおこなってきました。

西洋医学では、「内耳」もしくは「精神的」な問題が原因として、「抗ヒスタミン薬で眠らせる。」といった対症療法をおこなってきました。

心身条件反射療法では「嗅覚」の記憶と関連した過去の経験が症状を起こさせたと、分析できます。

このように、それぞれが受ける「感じ方」と、その時の「経験」とが相まって様々な症状を引きおこすことが考えられます。