現代医学では治療方法がない「新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)」の改善例

 
報告者:菊地 光雄カイロプラクティック・コンディショニング・ルーム・K

2017.5.16

【はじめに】 インフルエンザ感染から発症した左側頭部の頭痛が3ヶ月以上続いている患者に対して現代医学では治療の方法がなく、患者本人はもちろん家族全員が治療を諦めて翻弄している状況の中で、頭痛を心身相関的な観点からPCRTでアプローチして短期間で改善した症例である。

【患者】 10歳 女性 発症前はミニバスケを行う活発な小学5年生
【主訴】 2ヶ月以上継続する頭痛。
【その他症状】 朝の起床時に頭痛で起きられない。午前10時位まで頭痛が続く。その後午後3時位までは頭痛がないときもある。学校は調子の良いときは午後通学、午後早退の繰り返し。

【病歴】 3月にインフルエンザ感染から左側頭部の頭痛を発症する。インフルエンザ治癒後も毎日のように継続した頭痛がある。
近医の内科でインフルエンザ治療を行う。「頭痛もそのうちに治る」と言われる。インフルエンザ治癒後3週間も頭痛が改善せず、T大学病院でMRI、血液検査、髄液検査等の精検を行うが異常なし。投薬治療を開始するが効果なし。T大学病院では治療法がなく経過観察で様子をみる。最終的に「新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)」の診断を受ける。

【特記】 患者本人は疼痛と精神的に治療に対する理解がないので、施術者とのコミュニケーションは良好とは言えず、会話は行えずうなずきや首を縦や横に振りサインを発したりする程度で、ノンバーバルなコミュニケーションである。PCRT検査で波長は8レベルなので施術は可能である。


 
=CCRK検査:施術=
 
【5月8日・初回検査:施術】 波長検査 8
目安検査→症状部位接触陽性、症状イメージ陽性
EB特定→大脳辺縁系→感情→逃避(質問)
*逃避の質問をしても会話をしないので言語神経反射でPRT(生体反応検査)を行い背景を検査する
詳細チャート→時系列→過去→小学3年生→健康(質問)

Q:小学3年生位のときに病気とか入院とか体験していませんか?
A:母親「酷い腹痛で内科で溶連菌感染症からの腹痛と診断されたが薬を飲んでも3週間たってもよくならず、総合病院に入院して便秘で腹痛だと言われて何度も浣腸をしました」
腹痛入院「さらに」で陰性
患者はイメージするのがつらそうなので文字情報「逃避」+呼吸振動調整法で調整

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逃避+腹痛入院→陰性
感情「ほかに」→陰性
大脳辺縁系「ほかに」→陰性
目安検査→症状部位陰性→症状イメージ陰性
初回終了

【9日・2回目検査:施術】 前回の施術後の状態は夜は軽い痛みを訴えていたが、今朝の起床時では痛くなかったが昼頃学校に行き最後まで授業を受けていたが家に返ってきて痛くなった

目安検査→経絡→左三焦経、症状部位接触陽性、症状イメージ陽性
経絡→左三焦経+経穴振動調整法で調整

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左三焦経陰性→経絡「ほかに」陰性→症状部位接触陰性
症状イメージ陽性
症状イメージ陽性→EB特定→脳幹脊髄系→聴覚→他人の声
前回の入院イメージ陽性→さらに陰性(質問)
認識できないので→入院イメージ+呼吸振動調整法で調整

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入院イメージ陰性→他人の声陰性→聴覚陰性
脳幹脊髄系「ほかに」陰性→目安検査→症状イメージ陰性
2回目終了

【11日・3回目検査:施術】 前回の施術後の状態は、朝は痛みが無く起床できるようになった。10日は朝から普通に学校に行けた。帰宅後、少し痛くなる。
VAS 初見時:10→11日:6

目安検査→5.6チャクラ陽性、肉体外側頭部外側陽性、症状部位接触陽性、症状イメージ陽性
5.6チャクラ+肉体外側頭部外側→空間ブロッグ調整法で調整

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5.6チャクラ陰性→肉体外側頭部外側陰性→症状部位接触陰性
陰性→症状部位接触陰性
症状イメージ陽性
症状イメージ陽性→EB特定→大脳辺縁系→感情→意欲(質問)
思い当たるようなイメージができないので、意欲「さらに」陰性→意欲文字情報+呼吸振動調整法で調整
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意欲文字情報陰性→感情「ほかに」陰性→大脳辺縁系「ほかに」陽性
大脳辺縁系→信念→団結心(質問)
詳細チャート→立場→娘(質問)
思い当たるイメージができないので団結心「さらに」陽性
言語反射検査で「さらに」の検査を進める
家族→お父さん→一緒にいたい「さらに」陰性
お父さんと一緒にいたいイメージ+呼吸振動調整法

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お父さんと一緒にいたい陰性→団結心陰性→信念「ほかに」陰性→大脳辺縁系陰性
症状イメージ陰性
3回目終了

【12日・4回目検査:施術】(詳細手順省く) 前回の施術後の状態は、昨日の夜のミニバスケットの練習に参加するが痛みなし、全ての練習ができる。今朝の起床時の痛みなし。学校での痛みなく全授業を受ける
VAS 初見時:10→12日:9 痛みはないが違和感や重さがある

目安検査→症状イメージ陽性
EB特定→大脳辺縁系→感情→連帯感陽性、優越感陽性→信念→探究心陽性
感情

・連帯感=母と一緒にいたい

・優越感=妹より母親と一緒にいる時間が多い

信念

・探究心=母親

【16日・5回目検査:施術】(詳細手順省く) 前回の施術後の状態は、学校を含めた日常生活はほとんど痛みがなし。時折不定期で瞬間的に痛みが生じるが大きな痛みではなく数秒で治まる。日曜日にはミニバスケットの試合に出場し元気が戻った
VAS 初見時:10→16日:9 不定期で痛みがある

目安検査
当初の症状イメージ陰性
時折発症する不定期な痛み陽性

EB特定→大脳辺縁系→感情→愛情
愛情=お母さんの愛情が欲しい

【考察】 症状の主な要因は、施術内容で記載されている患者の過去の出来事による感情やその後の親子関係の感情が影響していたようだ。インフルエンザとの関係は、インフルエンザというより過去の病気による辛い体験の感情が無意識レベルに脳の誤作動として学習記憶され、インフルエンザが引き金になり長期的な症状を発症させたと推測できる。
今回の症例は、現代医学で最も得意とする生化学的検査で異常が見つからない症状に対しての治療法がないケースである。このような治療法がないケースにおいての患者を含めた家族全員が「治らない」「治せない」といった思いを共有し不安が募り、その不安は患者の症状をさらに増強させる要因になる。
今回の患者は来院までに3回のキャンセルを行っている。来院直前に症状が悪化して動けなくなったり、親の「何処に行っても治らない」という思い込みが来院動機を消極的にさせ足を遠ざけていた。
子供の医療の選択は子供自身ではできず、親の選択に依存していることで、親の医療の選択肢が多様であれば子供の利益になるが、一様であれば利益は少なくなる。そのようなことも含め、現代医学の生化学的検査で原因が見つからず治療法がないケースにおいては、心と体の関係性に目を向けることも選択肢の一つでる。
親の選択肢の中に含まれない理由は、まだまだこのような施術法が社会的に認知されていないからである。その意味も含めてこれからもPCRTの臨床効果を高めていきたい。