膝関節靭帯障害(膝が曲がらない症状)

 
報告者:三好 成子(コアレディスカイロプラクティックオフィス

2020.5.1

【はじめに】 患者 女性 59才
10日前にテニス試合中に左足を捻じり転倒、立ち上がることができず救急車で運ばれた。
レントゲンで左膝の異常が認められなかったが、後日MRIを撮り、結果は重大な問題がないことがわかったが、10日以上経過したにも関わらず、膝が曲がらず歩行が困難であった。
サポータを装着し足をのばしたままの歩行で来院した。身体も歪みが出ている状態であった。

【問診、視診、検査】 VAS 10

視診 立位検査
左の足関節が外転、距骨内転 脛骨外転、大腿外転
膝関節わずかに屈曲
膝関節伸展 骨盤左斜頸 骨盤回旋CCW 両肩回旋CW
仰臥位での患側左の自動運動屈曲不可 他動運動屈曲不可

検査中における主観的症状
検査中に患者は足を動かすことに恐怖をいだいていた。
生体反応検査法による股関節可動域、筋肉系の検査については痛みが出るので患者の意向によって簡素に行った。

理学的筋肉検査
膝窩筋 R- L-
大腿筋膜張筋 R+ L-
後脛骨筋 R- L-
前脛骨筋 R- L-
足部 屈筋群 R- L+
足部 伸筋群 R- L+
大腰筋 腸骨 R+ L+
整形外科テスト (膝)
屈曲位におけるテスト側方へのテストは不可のため中止
Patella Grinding Test -
Patella Ballottement Test -

生体反応テスト 直接マッスルテスト

下肢軸 骨盤上方圧迫 -
下肢軸 骨盤下肢の方に牽引 +
股関節外転 R- L+
股関節内転 R- L+
股関節屈曲 R- L+
股関節外方45度 R- L-
股関節内方45度 R- L+
腰部側屈 R- L-
腰部屈曲腰部回旋(両膝、股関節屈曲)-
下肢軸下方牽引 +
下肢軸下方牽引R -
下肢軸下方牽引L +
下肢軸上方圧迫 -
関節EB 検査
R内側検査
MCL FMテスト+ タッピング + 牽引+
LCL FMテスト- タッピング -
ACL FMテスト- タッピング -
PCL FMテスト- タッピング -
仰臥位レッグテスト
下肢軸下方牽引MCLの 陽性反応+
振動調整で調整する 陰性-
意念調整で調整する 陽性+
チャート検査 信念チャート1 猜疑心で陽性 猜疑心で調整する。

直接マッスルテスト部位
R内側 MCL FMテスト- タッピング - 牽引-
基本EB検査
股関節外転 R- L-
股関節内転 R- L-
股関節屈曲 R- L-
股関節外方45度 R- L-
股関節内方45度 R- L+
股関節内方45度 FMテスト+ タッピング- 圧迫+

仰臥位レッグテスト
施術部位
関節内方45度 FMテストにて陽性反応がでた。検査は次の通り
振動調整で調整する 陽性+
意念調整で調整する 陰性-

【施術】 PCRTのチャート(基本、価値観、信念1、2)から、レッグテストにて検査した結果、MCL靭帯、
信念チャート1の「猜疑心」のキーワードがでたので、MCL靭帯を把握し呼吸とともに「猜疑心」にて振動を加えた。 MCLに対してさらに問題があるかをレッグテストにて調べ、反応が見られなかったのでこの部位の施術は終了した。
また、左股関節内方45度で振動調整の陽性反応がでたので、患者の呼吸とともに振動を加え調整をした。
調整後、FMテストで検査し、股関節内方45度、タッピング検査、圧迫検査すべて陰性
他の反応見られなかったので施術を終了した。

【結果】 VAS 6
仰臥位での患側左の自動屈曲 可能。
他動屈曲 可能。
患者は自ら膝を90度を曲げることが可能となった。
振動調整を行ったあと、確認のため筋肉テストの圧迫検査、ストレッチ検査、FMテスト、レッグテストはすべて陰性であった。
施術前の検査で陽性であった生体力学検査、理学的筋力検査は陰性となった。
歩行時の一連の動作(足底接地 → 立脚中期 → かかと離地)がなくペタペタと歩く痛み回避動作歩行がみられたので、踵を浮かし、つま先を動かすエクササイズを指導、足の指を使って歩くことと、股関節をまげて歩くように指導した。
歩行は傷みが生じるが、股関節の屈曲と足底を使った歩行が可能となった。
また時間と共に治癒するので心配する必要は無いとアドバイスを行った。

【まとめ】 患者の訴える左膝関節にとらわれず、EB検査を行った。
生体反応検査法、左牽引検査で問題が出ていた。靭帯、関節包の障害部位が想定された。またFMテスト、レッグテスト、MCLにEBが特定された。
理学検査では膝窩筋MMT検査、Patella Grinding Test、 Patella Ballottement Test 等も陰性であることから、内側の問題が想定された。 あわせて理学検査、生体反応検査、EB検査でも問題個所は膝内側が、障害部位と特定できた。 ひどい範囲の障害が無いと考えられるため患者は数回の施術で楽に歩行ができると考えている。
帰り際に診断書の病名は内側側副靭帯の捻挫であったということを患者は話してくれた。

【経過観察】 1週間後来院 患者はそれ以来激しい運動はできないが、歩行が楽になっていた。
【考察】 この療法は「筋肉・関節・骨・筋膜系調整に最適であり、治療を行うか否かの基準はすべて「生体反応検査法」に基づいて行われている。通常メンタル系に関係する誤作動にアプローチをする際、患者様の主体性はとても重要になるが、この加算振動法、意念調整法に対しては、受ける側がイメージしなくてもよい、その点から多くの人に有用であり、安全性が高く自然の法則に調和した施術法であるということが言えよう。