唇のけいれん

 
報告者:福田 美穂(声と心と身体のセラピールームWill

2015.11.28

【患者】 40代前半 女性 うつ病にて休職中
【はじめに】 今年4月からうつ病にて休職中。メンタルクリニックと併用して当院にてPⅭRTとカウンセリング、認知行動療法で復職に向け治療中。
今回の症例はその中の1症例について報告するものである。

【主訴】 横になってリラックスしようとして口をゆるめた際に、右下唇がけいれんし不快感がある。この症状は1年以上続いている。

【治療】 [1回目]
プロトコルチャートにのっとって検査。

信頼度 9
スクリーニング検査 体軸刺激
EB検査 大脳辺縁系→感情→基本→意欲
意欲で思い当たることはありますかの問いに、回復したい意欲はあるが体がついていかないとのこと。このままうつ病が治らなかったらどうしようという不安もある。

うつ病が回復し唇のけいれんがなくなったイメージをしてもらいながら、体軸刺激+呼吸振動法を行う→陰性
自己呼吸振動法を指導。3日間、夜寝る前と起床時に唇のけいれんがなくなったイメージをしながら、胸骨部のタッピングをして頂く。


〔2回目〕
1週間後。前回の治療を受けすぐにけいれんが弱くなった。

信頼度 10
スクリーニング検査 前庭器官
EB検査 大脳辺縁系→信念→利己心
思い当たることがなかったため、詳細チャートへ。
分野 仕事関係
立場 リーダー・メンバー

みんなが大変な職場だが、自分だけが特別たくさんの仕事を任されており、怒りを感じている。
利己心について考えると、そういった職場環境のなかで自分自身を守るという意識が薄かったと感じる。

職場で自分自身を守れているイメージをしてもらいながら、前庭器官+呼吸振動法を行う→陰性


〔経過〕
1週間後。2回目の施術後だんだん回復し、3日後に唇のけいれんが消失したとの報告あり。

【考察】 最初はPCRTで唇のけいれんが消失することを半信半疑だったHさま。たった2回の施術で回復したと喜んでいました。その後もけいれんは治まったとのこと。

職場での激務がきっかけでうつ病を発症したHさま。休職中で心身を休めようとしたところ、リラックスすると唇のけいれんに悩まされゆっくりと休むこともできず、つらい思いをしておられました。
唇のけいれんに関しては、早い改善を望んでいたのでPCRTで早期に治す方法をとりました。カウンセリングや認知行動療法はうつ病の再発率は下がるものの、けいれんなどには対応できません。
PCRTをとり入れることで、心理療法では取り除けない症状を同時に診ていけると実感しました。
引き続き、復職にむけてPCRTと認知行動療法とカウンセリングを併用してサポートを行っていきたいと思います。