『関係性』で考える『原因と結果』

骨、関節、筋肉の関係性

 
PCRTでは症状の原因を考える際、何か一つのモノや事柄を原因とするのではなく、『関係性』で因果関係を捉えています。腰痛の因果関係を例にして説明してみましょう。
 
通常医療は構造重視型で、レントゲン診断やMRIなどの画像診断で背骨や軟骨に変形がないかどうか、背骨と背骨との位置関係は正常なのか、左右の対称性はどうなのかなど、「骨の形状や骨同士の位置関係」を確認します。多くの治療者は、骨や軟骨の変形や左右不対称な位置関係を腰痛の原因と判断する傾向があります。構造論重視の考え方です。
 
また、手技療法は構造重視型と機能重視型があり、構造重視型は、画像診断や姿勢などの検査に加え、触診によって関節の動きを診て、左右対称性があるかなどの構造的位置関係などを判断し、異常があれば腰痛の原因と判断します。通常医療と同様の考え方です。
機能重視型は、筋肉の緊張度や筋力検査にて筋肉の機能(働き)を確認します。筋肉の機能異常や特定の関節に関係する靭帯や筋肉との関係性に異常があれば、その異常部位を腰痛の原因と判断する傾向があります。

 

 
脊柱の分節的な診方がある一方で、全身の機能をコントロールしている脳・神経系に注目して、全身を調節するという考え方の手法もあります。
骨、関節は筋肉よって支えられ、筋肉は神経によってコントロールされているという基本原則から考えるとそれは納得のいく考え方の一つです。
PCRTにおいても神経学的な基本原則を取り入れていますが、主に『関係性』=システムに基づく考え方を基本にしており「筋肉系」と「神経系」との関係性を診る一方で、東洋医学に基づく「経絡系」や「生体マトリックス系」など様々なシステムとの関係性も考慮して、腰痛を生じさせている脳の誤作動を調整していきます。
 
脳・神経系は身体全体の司令塔です。この司令塔である脳・神経系と筋肉系との関係性が良くなれば、関節は落ち着くべきところに落ち着いて、動きもスムーズになり、バランスのとれた姿勢を保つことができます。
脳・神経系の働きが正常であれば、筋肉系も、関節系も正常に働き、その結果として無理のないスムーズな動きを保つことができます。このように、関節の痛みの信号は、関節系、筋肉系、神経系の関係性の悪さだといえるのです。

 

 
PCRTでは、肉体内における様々なシステムの関係性に注目する一方で、外界との関係性にも注目しています。
人間は試験管の中で生活をしているわけではありません。常に外界の刺激にさらされて、外界の変化とともに生かされています。例えば、飲食物も外界から取り入れるので、その栄養素が身体に合っているかどうかの関係性や、大気汚染や天候の変化などの環境との関係性もあります。そして、特に人との関係性はメンタル面に複雑に関連します。目には見えない心の動きと身体との関係性は複雑ではありますが、脳・神経系(内界)と外界との関係性は明らかに身体の「誤作動」に幅広く関係しています。
PCRTは、このように肉体のみならず、メンタル面を含めた外界との関係性にも目を向けた統合的な施術を行います。