第55回中級2 2016.9.11-12

 
<開催日>    2016年9月11日~12日
<開催場所> 東京 日本赤十字社ビル
 
■ 学習内容

    • PCRTオリエンテーション
    • システム思考のPCRT
    • 患者オリエンテーション
    • PCRT基本プロトコル
    • アレルギー治療
    • 適合検査と調整
    • 五感チャートの応用
    • 分野・立場・時系列チャートの応用
    • 感情・価値観・信念について
    • 信念、価値観チャートの質問の仕方
    • 認知の歪み
    • 意味記憶とエピソード記憶の上級
    • 患者教育の工夫

 
■ 講義    
一日目の講義は、保井インストラクターによるPCRTオリエンテーションからシステム思考のPCRT、基本プロトコルの説明から始まりました。特にシステム思考における線形思考と非線形思考、機械論的思考と有機論的思考、閉鎖系と複雑系はPCRTを行う上で重要なポイントでした。
 

 
その後、国井インストラクターによるアレルギー治療のための概論では、アレルギーと心身医療の講義では震災前後の花粉症の発症率など興味深い内容でした。
アレルギー概論に引き続き、菊地によるアレルギー各論でチャートに沿った食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の事例と臨床の進め方、更にサプリなどの適合検査と調整の講義とデモを行いました。
五感適応系の講義は土子インストラクターによって説明され、詳細な特定法など丁寧に講義で受講生も理解が深まったと思います。
 
二日目の講義は、野間インストラクターによって信念、価値観の質問の仕方を臨床的な症例を交えて説明されたのが印象的でした。
認知の歪みでは受講生が実際に伝言ゲーム行い最初と最後の伝言する文が大きな違いを改めて気づく事ができ、いかに情報が歪められるか実感できたと思います。受講生からも笑いが起こりとても楽しいワークでした。
 
各講義間のワークにおいてエニアグラムのワークがあり、PCRT独特のPRTを使って先生方の幼少期のタイプを検査し合い、互いに幼少期のタイプを再確認していました。また、ワークを通して受講生のPRTの整合性やマインド設定の違いなどで検査結果が違うこともわかり、実りのあるワークになりました。
 

 
■総合選択ワーク
午後の総合ワークでは下記のテーマごとにグループに別れて行われました。

    • 生体反応検査法
    • PCRTプロトコル
    • 反射系(アレルギー)
    • 大脳辺縁系(信念・価値観)
    • 大脳皮質系(意味記憶・エピソード記憶)

各パートは50分で3回行われ、それぞれパートごとに選択でき受講生の強化したいスキルを自らできるシステムになっています。このことにより臨床に使えるワークになっています。
 
■  謝辞      
本研究会開催にあたり、多くの受講生にご参加して頂きました。ありがとうございました。
また、エンタープライズの北島さまにご協力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。
 
■  終わりに
今回は、今年最後のPCRT研究会でした。受講生の目的も基礎から学びたい先生方や認定維持の先生方と様々だと思います。目的は違っても研究会という空間、時間は全ての受講生が共有するものです。共有できる空間や時間は質の高い情報で満たされていて、全ての受講生が平等に吸収することができます。しかし、受ける側の学びの姿勢によって吸収する質は変わります。毎回受講される先生方も年に一度受講される先生方も、受講するときは真っ白な気持ちにリセットすると質の高い情報が吸収できると思います。
最後に、保井先生の言葉が印象的でした。
「ハウツー的に“どのようにするか”のテクニックを学ぶことも大切ですが、“なぜそのような手法や手順を使うのか”を考えることの方がもっと治療者としての深い学びになると思いますので、来年はそのようなことを意識しながら学んでいただければと思います。」
治療者としての学び方の奥深さを考えさせられるコメントです。参加された受講生に治療者としての本質を捉えることができる臨床家なって頂きたい思いが伝わってきます。
 

(文責:心身条件反射療法セミナースタッフ 菊地 光雄)