脳科学に基づく統合医療

 
代替医療の手技療法による治療法の多くは、生体に「刺激」(振動)を加えて施術を行います。その刺激はマッサージのような柔らかい刺激、カイロプラクティック、あるいは整体のような関節にボキッと音をさせるような刺激、カイロプラクティックの中でも器具による軽い振動刺激を加える手法、東洋医学では鍼刺激、お灸による温熱刺激、アロマセラピーによる嗅覚刺激、音楽療法による聴覚刺激、電気療法による電気刺激、磁気療法による磁気刺激、その他、様々な刺激を生体に加えて施術効果を引き出す療法が数多く存在します。このように生体に物理的な「刺激」(振動)を加える手技療法は、脳科学的に分類すると脳の第一層目にあたる「反射系領域」に属します。

 

 
脳は大きく分けると第一層目の反射系、第二層目の大脳辺縁系、第三層目の大脳皮質系に分類され、反射系領域が主に関係している筋骨格系の症状に対しは、「神経系」や「エネルギー系」の領域の働きを的確に調整することで治療効果が得られます。
しかし、心をもった人間全体を調整するためには、第一層目の「反射系」よりもさらに上位に位置する第二層目の「大脳辺縁系」や第三層目の「大脳皮質系」の領域も含めた調整が必要になります。
心身条件反射療法(PCRT)〔別名:ニューロパターンセラピー〕では症状がどこから生じているのかの因果関係を明確にすることを大切にしています。PCRTでは、脳科学的に症状の原因を大きく3つの領域に分けています。

  1. 反射系:この領域は感情などのメンタル系が関与しない「神経系の誤作動」や「内分泌系の誤作動」、あるいは、東洋医学で伝えられる「経絡系の誤作動」などによる肉体のハード面の関係性が関与します。
  2. 大脳辺縁系:この領域は情動を司る領域で主に「潜在感情」や「信念」、「価値観」などが症状の誤作動に関係します。
  3. 大脳皮質系:この領域では主に「意味記憶」や「エピソード記憶」が症状の慢性化に関係します。

PCRTでは、この3つの領域に関係する原因と結果の関係性を整理しながら治療を進めていきます。

 

特に症状を繰り返す慢性症状やアレルギー症状などは、分離分割的な判断ではなく、心身一如的に統合した「心と身体の関係性」を診ることが大切です。また、現代医学的には原因不明とされる難治性の症状も、実は肉体内の構造学的な部分的異常ばかりに目を向けて、「心と身体の関係性」や様々な「身体システムの関係性」に目を向けていないことが盲点になっているかもしれません。
 

症状を繰り返すということは、何らかの関係性による「働き」の誤作動が、脳・神経系、あるいは生体エネルギー系に「記憶」されているということです。
PCRTではその誤作動の記憶が「反射系」由来なのか、「大脳辺縁系」なのか、あるいは「大脳皮質系」なのか、それともそれらの「複合反応系」に関係しているのかも明確に判断して施術を進めていきます。
つまり、症状を繰り返すということは、「症状を繰り返すための誤作動の関係性」を学習記憶しているといえるので、症状を繰り返す「クセ」=「記憶」を書き換える施術を行うということです。
 
さらに詳しくは「医療の分類と脳・神経系への施術領域」をご覧ください。