パニック障害
42歳 女性 | 6回通院 | 著明改善
報告者:
谷井 昌幸
| 谷井治療室 | PCRT歴 5年目
報告者・施術院情報
報告者氏名
谷井 昌幸
臨床歴(開業歴)
28年目
PCRT歴
5年目
施術院名
谷井治療室
報告期日
2026年1月2日
🏷 パニック障害
🏷 パニック発作
🏷 予期不安
🏷 誤作動記憶
🏷 辺縁系EB
🏷 エピソード記憶
症例要約
✓ 著明改善
治療期間
2025年8月10日〜12月7日
通院回数
6回
1回の治療時間
40分以内
治療経過
良好
初回施術より3回目までは段階的な症状軽減。4回目は症状の戻りが出現したが、5回目以降はパニック発作なし。5回目から約2か月後の6回目来院時も大発作は起こらず、著明に改善した。
年齢・性別
42歳・女性
職業
エステティシャン
家族構成
母子家庭(10歳男児)
発症時期
2025年7月3日〜
初診日
2025年8月10日
既往歴
房室回帰性頻拍(AVRT)
2025年7月3日からパニック発作が頻発。発作が起きると日常生活にも支障をきたし、仕事を休むこともある状態で来院。動悸・息切れ・めまい・吐き気・しびれなどの身体症状と、「死んでしまうのでは」といった強い恐怖感を伴うパニック発作が突然繰り返し起こっていた。また、発作が起きるのではないかという強い予期不安も訴えていた。
2021年に房室回帰性頻拍(AVRT)のためカテーテルアブレーション(焼灼術)を受けた既往がある。AVRTの主な症状(動悸・息切れ・めまい・失神)はパニック障害と類似するため、2021年以前から出現していた諸症状にもパニック障害が関与していた可能性が考えられる。本症例では医学的既往を尊重したうえで、現在の症状が特定の心理的文脈や予期不安と強く連動している点に着目し、PCRTによる心理・神経系への介入を補完的に用いた。
🔔 はじめに 本症例では、パニック発作という症状そのものだけでなく、その背景にある無意識の心の働きと脳の誤作動記憶との関連性に着目し、患者が安心して日常生活を取り戻すことを目的として介入を行った。
患者の訴え
- ここ1か月パニック発作を繰り返し心身ともに疲れ果てている。
- 予期不安もあり安心できない。
| 症状の程度 |
7/10 |
| 予期不安 |
10/10 |
| CGI-S(初回症状の程度) |
7 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| 吸気で間接法PRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB ※身体部位:右第3・4肋骨 |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB |
犠牲心 |
子供に塾や習い事をさせたいが出費がかさむことが悩み。 |
陰性化 |
| 症状の程度 |
4/10 |
| 予期不安 |
5/10 |
| CGI-I(初回比較) |
2 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| パニック発作のイメージ後に頸部筋肉の圧痛とPRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB ※身体的EB部位:左4・5肋骨 |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB |
信仰心 |
友人にマウントをとってくる人がいて対応に苦慮している。 |
陰性化 |
患者の訴え
- 前回よりもさらに体調は良く、予期不安も軽減してきた。
| 症状の程度 |
3/10 |
| 予期不安 |
4/10 |
| CGI-I(初回比較) |
3 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| パニック発作のイメージ後に頸部筋肉の圧痛とPRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB ※身体的EB部位:右4・5肋骨 |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB |
復讐心 |
元夫に対する思い。(詳細は非開示) |
陰性化 |
| 症状の程度 |
6/10 |
| 予期不安 |
7/10 |
| CGI-I(初回比較) |
6 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| パニック発作のイメージ後に頸部筋肉の圧痛とPRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB ※身体的EB部位:左3・4肋骨 |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB |
復讐心 |
元夫に対する思い。(詳細は非開示) |
陰性化 |
患者の訴え
- 前回よりもさらに体調は良く、予期不安も軽減してきた。
| 症状の程度 |
1/10 |
| 予期不安 |
2/10 |
| CGI-I(初回比較) |
2 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| 吸気で間接法PRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB ※身体的EB部位:横隔膜 |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+辺縁系EB |
自省心 |
息子がクラスの女子にいじめられていることを知る。息子は相手に言い返したりやり返したりできない。弱く育ってしまったのは自分の育て方がいけなかったと自分を責める。 |
陰性化 |
患者の訴え
- 前回の施術から2か月以上開いていたが、その間パニック発作は1回も起こらなかった。
- 最近になって予期不安が出ることもあり、疲労もたまっているため来院。
| 症状の程度 |
2/10 |
| 予期不安 |
4/10 |
| CGI-I(初回比較) |
3 |
目安検査
| 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| パニック発作のイメージ後に頸部筋肉の圧痛とPRT |
◯ |
|
|
◯ |
EB検査
| 身体系&情報系EB 検査部位・動作 |
調整前 |
調整後 |
| 陽性 |
陰性 |
陽性 |
陰性 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+大脳皮質系EB |
◯ |
|
|
◯ |
調整法
AMベイシック・アドバンス(ハード)
PCRT認知調整法(ソフト)
エピソード記憶(カラーチェンジ)
| 身体系&情報系EB |
反応言語 |
内容 |
調整後 |
| パニック発作のイメージ(情報系EB)+大脳皮質系EB |
エピソード記憶(カラーチェンジ) |
パニック発作のイメージ(黒と緑が混じった色)→ 心身ともに健康なイメージ(黄色) |
陰性化 |
パニック障害の発作は何の前触れもなく突然現れる。その恐怖は「このまま死んでしまうのではないか」と感じるほどのものであり、大発作を繰り返すほどパニック障害における閾値が下がる傾向にある。予期不安も相まって安心して日常生活が送れなくなる。
パニック障害では、様々な要因により「引き金」となるライン(閾値)が低くなり、些細な刺激で強い不安や発作が起こりやすくなる。PCRTの施術では、この閾値を上げていくことが目標となる。無意識の心の働きと脳の誤作動記憶との関係性を患者と共に理解し調整することで、心と体の緊張が解放されパニック障害の閾値を引き上げる効果が期待できる。
本症例では、教育費の悩み(犠牲心)、マウント型友人へのストレス(信仰心)、元夫への感情(復讐心)、息子への自責(自省心)と、回を追うごとに異なる心理的テーマが浮上した。第4回目に症状の再燃が見られたが、これは治療の失敗ではなく、未処理の心理的テーマが再浮上したプロセスであり、PCRTにおける調整の深化段階であると捉えることが重要である。
第6回目では大脳皮質系EBへのアプローチとして、エピソード記憶のカラーチェンジ法を用いた。パニック発作のイメージを「黒と緑が混じった色」として把握し、健康なイメージ(黄色)へと変容させるこの手法は、過去の強烈な体験が現在の予期不安として再構成されるケースにおいて特に有効な調整手段であることが示唆された。
結果として、5回目施術後から約2か月の間パニック発作が1回も起こらず、日常生活を取り戻すという本症例の目標を達成した。PCRTによる心理・神経系への介入が、パニック障害の閾値引き上げに補完的かつ有効に機能することを示す一症例である。