耳の閉塞感と耳鳴り
症例テーマ:
●耳の閉塞感と耳鳴り
報告者情報:
●氏名:森田泰広
●施術歴:25年
●PCRT歴:2年
●施術院名:上本町モリタ鍼灸整骨院
●初診年月日:2024年7月10日
●報告期日・2024年10月23日
はじめに:
今回、耳鼻咽喉科にてメニエール病との診断を受け、他院で鍼灸治療を受けるも思うような結果が得られなかった患者に、PCRTの施術をさせていただき良好な結果が得られたので、報告させていただく。
症例要約:
完治 or 未完治 | 完治 |
治療期間: | 2024年7月10日〜2024年8月16日 |
通院回数: | 4回 |
一回の治療期間 | 30分以内 |
治療経過の良し悪し: | 4回の施術で改善 |
患者の愁訴:
・右耳の閉塞感と耳鳴り
・頚肩部痛
患者情報:
・57歳 女性
・家族構成:夫との二人暮らし
・職業:アドバイザー
・運動習慣:なし
・喫煙習慣:なし
・飲酒習慣:時々
発症からの経緯:
5か月前に自宅で転倒し左橈骨骨折を受傷する。
その3日後より右耳の閉塞感と耳鳴りを発症する。
耳鼻咽喉科を受診しメニエール病との診断を受ける。
その後、耳鼻咽喉科での受診と並行して鍼灸治療を行うも、右耳の閉塞感と軽度の耳鳴りが残存するため、当院の患者の紹介で来院された。
治療回数毎のスケール表
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | |
症状の程度 | 7 | 5 | 3 | 1 |
予期不安 | 7 | 5 | 2 | 1 |
CGI-I(初回と比較した改善の程度) | 3 | 2 | 1 | |
CGI-S(初回の症状の程度) | 4 | ←初回時のみ入力 |
初回〜通院施術回数毎の記録:
初回:2024年7月10日
目安検査:
一般的検査(現代医療の検査法)
- ・可動域制限:頚部伸展・頚部右回旋
- ・圧痛:上部僧帽筋・胸鎖乳突筋
- ・動作痛:頚部伸展・頚部右回旋
症状の数値化
症状の程度(0〜10) | 7/10 |
予期不安(0〜10) | 7/10 |
CGI-I(改善の程度:1〜7) | |
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) | 4/7 |
PCRT目安検査
検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
基本バランス:頚部伸展 頚部右回旋 | ○ | ○ | ||
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
前庭器官検査 眼球運動による刺激 | ○ | |||
前庭器官検査 耳孔への音叉による音の刺激 | ○ | |||
前庭器官検査 耳抜き刺激 | ○ | ○ |
EB検査
身体系&情報系&エネルギー系EB検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
側頭骨骨系刺激 | ○ | ○ | ||
経絡(胆系) | ○ | ○ |
ハード面調整法
AMベーシック
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
身体系EB | 反応言語 | 内容 | 調整後 |
側頭骨骨系+経絡(胆系)刺激 | 警戒心 | ご主人の実家に行くと義母からの嫌がらせをうけるので、いつも義母の顔色を伺っている ⇩ 旦那さんに心配をかけたくない |
陰性化 |
同上 | 猜疑心 | 義母に対して自分の接し方はこれでいいのか |
陰性化 |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | 刺激、変化、挑戦 | 仕事において自分自身をもっと成長させてクライアントの役に立ちたい |
陰性化 |
2回目:19日後来院 2024年7月29日
患者コメント(愁訴)
前回の施術後から耳鳴りが気にならない程度になり右耳の閉塞感も幾分か楽になった。
症状の数値化
症状の程度(0〜10) | 5/10 |
予期不安(0〜10) | 5/10 |
CGI-I(改善の程度:1〜7) | 3/7 |
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) | 4/7 |
PCRT目安検査
検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
基本バランス:頚部伸展 頚部右回旋 | ○ | ○ | ||
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
前庭器官検査 眼球運動による刺激 | ○ | |||
前庭器官検査 耳孔への音叉による音の刺激 | ○ | |||
前庭器官検査 耳抜き刺激 | ○ | ○ |
EB検査
身体系&情報系&エネルギー系EB検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
側頭骨骨系刺激 | ○ | ○ | ||
経絡(胆系) | ○ | ○ |
ハード面調整法
AMベーシック
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
身体系EB | 反応言語 | 内容 | 調整後 |
側頭骨骨系+経絡(胆系)刺激 | 慈悲心 | 母は自分のことを愛してくれているのだが愛情不足を感じている自分がいた | 陰性化 |
同上 | 羞恥心 | 母の気持ちを分からず、寂しがっていた自分がいた ⇩ 弟といつも比較されるのが嫌だった |
陰性化 |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | 貢献 | 今の仕事で本当にクライアントの役に立てているのか ⇩ もっとスキルアップして自分の能力を伸ばしたい |
陰性化 |
3回目:9日後来院 2024年8月7日
患者コメント(愁訴)
前回の施術後から耳鳴りは全く気にならなくなった。
右耳の閉塞感もずいぶん楽になった。
症状の数値化
症状の程度(0〜10) | 3/10 |
予期不安(0〜10) | 2/10 |
CGI-I(改善の程度:1〜7) | 2/7 |
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) | 4/7 |
PCRT目安検査
検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
基本バランス:頚部伸展 頚部右回旋 | ○ | ○ | ||
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
前庭器官検査 耳抜き刺激 | ○ |
EB検査
身体系&情報系&エネルギー系EB検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ | ||
側頭骨骨系刺激 | ○ | |||
経絡(胆系) | ○ | |||
空間ブロック | ○ | ○ |
ハード面調整法
AMベーシック
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
身体系EB | 反応言語 | 内容 | 調整後 |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | 警戒心 | 自宅でご主人がリラックスして過ごしているか常に気を付けている ⇩ 母親が父親を立てていたのを見て育ったので自分もそうすることで評価されたい |
陰性化 |
同上 | 羞恥心 | 母親の自分に対する気持ちが分からずに寂しがっていた自分がいた ⇩ 長女なのであまりかまってもらえなかった寂しさがある ⇩ 本当は母親に抱きしめてもらいたかったしもっと甘えたかった |
陰性化 |
4回目:9日後来院 2024年8月16日
患者コメント(愁訴)
前回の施術後から、右耳の閉塞感がほとんど感じられなくなった。本人曰く、治ったと思うと言うことだった。
症状の数値化
症状の程度(0〜10) | 1/10 |
予期不安(0〜10) | 1/10 |
CGI-I(改善の程度:1〜7) | 1/7 |
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) | 4/7 |
PCRT目安検査
検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
基本バランス:すべて陰性 | ○ | |||
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ |
EB検査
身体系&情報系&エネルギー系EB検査部位と刺激・動作 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | ○ | ○ |
ハード面調整法
AMベーシック
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
身体系EB | 反応言語 | 内容 | 調整後 |
右耳の閉塞感と耳鳴りのイメージ | 復讐心 | 弟が自分の状況が悪くなると周りに当たり散らすことが納得いかない ⇩ 弟は何かあると自分の殻に閉じこもってしまう性格なので、私はあなたの味方だと分かってほしい |
陰性化 |
PCRT認知調整法(大脳皮質系)
エピソード記憶EB内容 | 調整前 | 調整後 | ||
陽性 | 陰性 | 陽性 | 陰性 | |
耳の閉塞感を感じている自分の姿(映像) | ○ | ○ | ||
耳の閉塞感のない自分の姿(映像) | ○ |
考察:
自宅での偶発的な事故により左橈骨骨折を負い、その3日後から突然、右耳の閉塞感と耳鳴りを発症した症例に対して、PCRTの施術を行い良好な結果を得られたので報告をさせていただく。
当院に来院された際には、他の医療機関で治療を行うも症状の改善が芳しくなく5か月を経過しての来院であったが、患者のお仕事が「アドバイザー」と言うことで、私の話も素直に聞いていただきよく理解し、ご本人も納得されたことが誤作動記憶を紐解き症状の早期改善につながったのではないかと考える。
本症例において症状が大きく改善したポイントは子供のころから成人するまで実母の顔色ばかりうかがいながら生活していた自分のことを思い出し、その根底にはもっと実母に甘えたかった自分がいた。その自分を認知することによりあきらかな改善が認められた。
上記の内容が2回目の施術時と3回目の施術時に認知されたが、2回目の施術時に認知された内容を私がもう少し丁寧に聞くことができれば3回目に認知されなかったのではないかと思う。その事からも「質問力」と「聞く力」が今後の私のPCRT施術における課題だと考える。