腰部から背部にかけての痛みに対するPCRT施術
報告者:三好 成子(コアレディスカイロプラクティックオフィス)
2012.7.17
| 【患者】 | 47歳女性 事務職 腰部から背中にかけての差し込む激痛で身体を伸ばすことができない。 |
| 【主訴】 | 会社の上司に付き添われ来院。 慢性的な腰痛を持っているが、この1週間は断続的な腰痛と体の痛みが続いている。とくに3日前から急激に刺すような痛みに変化してきた。病院で受診し、神経痛と診断され、ロキソニンを処方された。ロキソニンを飲んでいたにもかかわらず痛みが強くなってきた。本日7月13日の朝痛みは激痛をともなう刺す痛みに変わり、腰部から背部にかけて断続的に続く痛みは背中を伸ばすことも困難である。 |
| 【視診】 | 患者と当院は車で3時間かかるので、長時間の車中で負担がかかったのか、背中を丸めて歩行がやっとの状態であった。 腹臥位、背臥位が困難な状態である。 待合室では腰を伸ばすことが困難で、顔は苦悶の表情であった。 姿勢 : 立っていることが困難、姿勢分析では前屈30度に傾いている。 動きの検査 : 腹臥位背臥位とも困難 腹臥位検査 : 腰部から左に臀部の捻じれ 左腰部の緊張 しゃがむことが困難 VAS 10 関節可動域検査 屈曲 30度 伸展 検査なし 両足を屈曲30度で激痛 腹臥位にて両手を挙げると腰部に激痛 神経学的検査 伸張反射(深部腱反射DTR) アキレス腱反射 S1 +2 膝蓋腱反射 L4 +2 表在反射 足底反射 正常 触覚検査 正常 振動検査 正常 *多くの検査は苦痛を伴うと感じたので患者が耐えられる範囲での検査で行なった |
| 【治療】 | ハード面治療 アクティベータにて施術を行なう ハード面治療評価 腹臥位による両足の屈曲は臀部に踵がつくまで可動閾が改善 ハード面EB検査と その後左背部にEB ハード面BE治療と評価 持続圧によるパターンアジャストにより軽減 腹臥位から立位することも楽に出来た。 ソフト面EB検査 ハード面の治療後、患者に朝の痛みのイメージをしてもらうと背臥位下肢長検査にて陽性反応がでたので、説明を行ない条件反射療法のパターンチャートによる施術を行なう。 ソフト面治療 「朝の痛みのイメージ」 陽性 ↓ 分野 「自分関係」 ↓ 五感 「人」 陽性 (今日の朝で人に関係することのイメージを考えてもらう)陽性 緊張パターン「朝の用事を主人にお願いした」 陽性 ↓ 五感チャート 「義務感」 ↓ (義務感で何かイメージできるもの) (緊張パターン)「人に頼むのがいや(主人にお願いすること)」 * 「義務感」感情パターンをイメージ パターンアジャスト ↓ 「義務感」のキーワードをイメージ 陰性 ↓ 「朝のイメージ」 陽性 「義務感」から更にイメージを行なう (本当に果たさなければならないのかをイメージ。感情チャート検査) ↓ 感情チャート キーワード「閉鎖」 ↓ 「閉鎖」にかかわるキーワード関連するものをイメージ ↓ (緊張パターン)「人に物事をお願いするのが嫌! 自分で全てする方がいい」 (以前主人に家事をするのが当たり前といわれた、過去のイメージがあるのこと) (物事を人に頼むなら自分で全てするほうがよい) *「閉鎖」キーワードと上記記憶を含め、呼吸振動によるパターンアジャスト 「閉鎖」イメージで神経反射テスト 陰性 ↓ (緊張パターン)「お願いする」 をイメージ 陽性 ↓ さらに感情パターン検査 「意欲」 陽性 ↓ *意欲で思い当たることをイメージで呼吸振動パターンアジャスト (緊張パターンイメージング) ↓ 「意欲」 イメージ 陰性 「お願い」をイメージ 陰性 ↓ セルフイメージ 「今日の朝」 をイメージ 陰性 |
| 【施術総合評価】 | 視診 スタテックパルペーションでは正中線上に姿勢を保持することが可能となった。 歩行左右差もなく良好 背臥位から立位になるには慎重な動作であったが、問題なく立つことが出来た。 顔の表情が和らぎ笑顔がみられた。 姿勢 通常にプラムライン上に立つことが出来た。 動きの検査 左右不均衡差はあるが動かすことができた。 腹臥位検査 腰部から左に臀部の捻消失 左腰部の緊張とくに感じない 刺すような痛みは無くなった VAS 10/3 |
| 【総合評価】 | 緊張パターンのイメージングにより、刺すような痛みは軽減した。 患者さんの緊張パターンは「全てのことを自分自身で抱え込まなければいけない、人には頼れない」などの感情が強く影響しているように思われた。 |
| 【追跡調査】 | 次の日に連絡をとり症状を確認した。痛みは全くないわけではないが、昨日のような痛みもなく、仕事をしていた。 |
| 【考察】 | 感情チャートを用いたキーワード検査による身体反応緊張パターン検査の結果「今日の朝」による緊張は、脳の無意識下で進行している脳内情報処理構造によるシステムが身体に影響を及ぼした。 つまり過去の「意識」(意識は脳の無意識的な処理を下敷きとして立ちあらわれているもの)や過去の言われたことの「記憶」(特に「エピソード記憶」と呼ばれるもの)を留め、その意識が今回の緊張パターンの素地として生じたものと思われる。 記憶には、「自分」を作る連続性のある「意識」に蓄えられたものが「記憶」としてとどめられる。過去に言われた言葉が意識下のもとで蓄えられ「意識」 とマッチングを起こし「義務感」「人には頼みたくない」「意欲」「お願い」などのワードが緊張パターンとなったのだろう。最終的には「意欲」のキーワードで身体の神経反射テストがすべて陰性となった。 脳内情報処理構造のシステム変化により人の活動の源とされる生体エネルギー(経絡、気、生体マトリックス)(波長)を乱していた自律神経系にも働きかけ身体の不調が改善されたのだと考えられる。 |