鼠径部から臀部の奥に激痛

 
報告者:望月 久嗣(望月治療院

2019.9.6

【患者】 66歳 女性
【主訴】 一日に数回、鼠径部から臀部の奥に激痛が生じる。
発作的に痛みが生じて、10分ほど痛みに耐えてじっとしていると治まる。
その様な事が1年前から毎日2~3回ある。

【問診】 色々な病院で検査を受けたが原因がわからず、色々な治療院でも治療を受けたが改善せず当院に来院。
痛みの発作が起きていない時はまったく症状はない。
病院で痛み止めとしてリリカ、ロキソニンを処方されたが効果なし。
MRI検査、異常なし。
股関節の可動域、問題なし。

【治療】 ●1回目~3回目
アクティベータメソッドのみで治療


●4回目
3回のアクティベータのみの治療ではあまり症状に変化がなかったので今回からPCRTも使用。

ハード面調整
アクティベータメソッド

ソフト面調整
信念・犠牲心→母が亡くなって遺産分与の事で兄弟ともめた。
トラブルを治める為に自分が犠牲になって我慢すれば良いと思って気持ちを押し殺した。


●5回目
治療を始める前の段階でVASは10→6に減っていた。
前回の治療後から急に症状が緩和されてきたとの事。

ハード面調整
アクティベータメソッド

ソフト面調整
信念・犠牲心(詳細チャートで6年前、家族関係)
6年前に母が認知症になって介護施設に入れた。
入居資金も多額にかかり親族がもめたが自分が負担した。
自分が犠牲になることで問題を治めようと努力した。


●6回目
1年間以上の長い期間、毎日起きていた痛みの発作が3日前から起きていない。
この事に患者様が大変驚いて更にPCRTの治療に対する理解、信頼を深めたご様子。

ハード面調整
アクティベータメソッド

ソフト面調整
信念・犠牲心(詳細チャートで6年前、仕事関係)
家庭の事が大変で仕事をやめたかったけど、やめられない事情があり我慢して続けていた。


●7回
ハード面調整
アクティベータメソッド

ソフト面調整
信念・団結心(詳細チャートで家族関係)
兄弟があまり仲良くない。
この数年で色々な事があり兄弟の中が険悪になってしまっている。
自分としては昔みたいに仲良くやっていきたいという気持ちがある。

以前に比べて痛みの発作の頻度は激減した。
稀に痛くなっても、以前ほどの動けないくらいの激痛ではなく普通に日常を暮らせるくらいになった。
VAS、10→1


●8回
自覚症状はほぼ消失。
現在もメンテナンスとして2週間に1回のペースで通院中。

【まとめ】 肩や頭痛の症状は週に2~3回の頻度で起こる
当院は筋骨格系の痛みと痺れでお困りの患者様が主に来院します。
大半の患者様は脊柱、関節、筋肉に対する物理的な調整だけで改善するのですが、それだけでは改善しきらないメンタル面と深く絡みついた慢性的な症状でお困りの患者様が来院されることも稀にあります。
今回も明らかに症状の発症の仕方が特徴的で、通常の筋骨格系に対する物理的な治療だけではあまり変化が出ず、PCRTがとても効果を発揮しました。

患者様自身も自分の痛みはメンタル面とかかわりがあるのではないかという気持ちを以前から感じていたようで、PCRTによる治療を抵抗なく受け入れてくださいました。
毎回の治療で頻繁に出てきたワードは「犠牲心」。
患者様のお話では、自分は色々な場面で常に自分が犠牲になる事で物事を穏便に収めて生きてきたとの事でした。
その抑圧された気持ちが今回の症状に繋がっていた事を、患者様自身が深く納得して頂けたことが治癒を早めたと思われます。
治療を通して患者様自身が自分の考え方の傾向に気づき、腑に落ちる部分が沢山あったとの事でした。
筋肉や関節への物理刺激だけの治療では効果が出ないメンタルが深く関わった症例で、PCRTがなければ対応ができませんでした。