薬が手放せない頭痛

 
症例テーマ:
●薬が手放せない頭痛
 
報告者情報:
氏名:森田泰広
施術歴:25年
PCRT歴:1年
施術院名:上本町モリタ鍼灸整骨院
初診年月日:2024年7月15日
報告期日・2024年8月29日
 
症例要約:
 

結果判断:
完治 or 未完治
未完治
施術継続中
治療期間: 2024年7月15日〜2024年8月26日
通院回数: 6回
一回の治療期間 30分以内
治療経過の良し悪し: 経過良好

 
治療回数毎のスケール表
 
  初回 2回目 3回目 4回目 5回目 5回目
症状の程度 10 5 5 4 2 2
予期不安 10 7 5 5 5 2
CGI-I(初回と比較した改善の程度)   2 2 2 1 1
CGI-S(初回の症状の程度) 6 ←初回時のみ入力

 
はじめに:
何年も鎮痛剤を手放せなかった頭痛が、数回のPCRTの施術により薬の服用を大幅に減らすことができ経過が良好なので未完治であるが報告させていただく。
 
患者の愁訴:
薬を手放したい
頭痛の改善
 
患者情報:
64歳 女性(専業主婦)
家族構成:夫(無職) 娘
 
発症からの経緯:
10年程前より嘔吐感を伴う頭痛に悩まされており、整体治療・鍼灸治療・他に月に一度の在宅による自己注射(エムガルティ)・鎮痛剤を毎日服用するも改善が見られないため相談を受けPCRTの施術をご提案し良好な結果を得られたので施術継続中であるが報告をさせていただく。
 

 
初回〜通院施術回数毎の記録:
 
初回:2024年7月15日
 
目安検査:
一般的検査(現代医療の検査法)

    • ・可動域制限:頚部伸展、頚部右回旋
    • ・圧痛:上部僧帽筋 胸鎖乳突筋

 
症状の数値化

症状の程度(0〜10) 10/10
予期不安(0〜10) 10/10
CGI-I(改善の程度:1〜7)  
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 6/7

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展、頚部右回旋  ○  
頭痛イメージ  ○  
側頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整法
 AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
 
身体系EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+側頭骨 警戒心 家計の管理をうるさく言われるのでご主人に怒られないように注意している 陰性化
同上  羞恥心 昔、義母からよく怒られた
陰性化

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展 頚部右回旋    ○
頭痛イメージ    ○
側頭骨骨系刺激    ○

 
 
2回目:7日後来院 2024年7月22日
 
患者コメント(愁訴)
前回施術後、毎日のように朝から頭が痛かったのが1週間の間に2,3日、頭が痛くない日があり、毎日服用していた鎮痛剤を服用しない日ができた。
NRS10→5(患者の主観)
 
症状の数値化
 
症状の程度(0〜10) 5/10
予期不安(0〜10) 7/10
CGI-I(改善の程度:1〜7) 2/7
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 6/7

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展、頚部右回旋  ○  
頭痛イメージ  ○  
側頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整
AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
 
身体系EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+側頭骨   警戒心 実の妹が前科者でそのことが娘の嫁ぎ先に知られると困る 陰性化

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展 頚部右回旋     ○
頭痛イメージ     ○
側頭骨骨系刺激     ○

 
3回目:9日後来院 2024年7月31日
 
患者コメント(愁訴)
疲れると頭痛の症状が出るも以前より痛みが軽い。
薬はまだ痛みが出そうになると服用している。
NRS10→3(患者の主観)
 
数値化
 
症状の程度(0〜10) 5/10
予期不安(0〜10) 5/10
CGI-I(改善の程度:1〜7) 2/7
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 6/7

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部右回旋  ○  
頭痛イメージ  ○  
側頭骨骨系刺激    ○
後頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整法
AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
 
情報系EB 身体系EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+後頭骨   警戒心 出かけると暑くて体力が持つのかな
       ⇓
家に帰ってきたら食事の用意ができるだろうか
                  ⇓
ご主人さんの健康が心配
陰性化
同上  犠牲心 妹に対して犯罪からの更生に姉として色々と手助けしてきたが、気持ちを受け取ってもらえなかった 陰性化

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部右回旋     ○
頭痛イメージ     ○
後頭骨骨系刺激     ○

 
4回目:7日後来院 2024年8月7日
 
患者コメント(愁訴)
頭痛の頻度も強度も軽減しているが、まだ不安の意識が強く、痛くなるのではないかと思いつい薬を服用してしまう。
 
症状の数値化
 
症状の程度(0〜10) 4/10
予期不安(0〜10) 5/10
CGI-I(改善の程度:1〜7) 2/7
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 6/7

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展  ○  
頭痛イメージ  ○  
後頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整法
AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
 
情報系EB 身体系EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+後頭骨  警戒心 ご主人とお金に対する価値観が違うのでお金の使い方に気をつかう。 陰性化
同上 羞恥心 娘にクレジットカードの使用を咎められる
                   ⇓
自分自身もお金に対する不安がある
陰性化

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展     ○
頭痛イメージ
    ○
後頭骨骨系刺激
    ○

 
5回目:11日後来院 2024年8月18日
 
患者コメント(愁訴)
頭痛の頻度は大幅に減ったが、やはり痛くなるのではないかという不安感から、薬を服用してしまう事がある。
ただ、薬を服用しない日が何日もあるのは自分にとっては奇跡的なことだ。
 
症状の数値化
 
症状の程度(0〜10) 2/10
予期不安(0〜10) 5/10
CGI-I(改善の程度:1〜7) 1/7
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 6/7 

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展・頚部右回旋  ○  
頭痛イメージ  ○  
後頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整法
AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(辺縁系)
 
身体系EB エネルギー系EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+後頭骨
犠牲心 家計のやりくりで自分が欲しいものを買うことができずに我慢している
                   ⇓
自由に買い物ができる友人がうらやましい
陰性化

 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法(大脳皮質系)
 
エピソード記憶 EB 内容  調整前 調整 調整後
陽性 陰性    陽性 陰性
頭痛があり薬を服用している自分の姿   カラーチェンジ
(ベージュ)
   ○
頭痛がなく快適に生活がおくれている自分の姿   カラーチェンジ
(水色に切り替え調整)
   ○

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展・頚部右回旋     ○
頭痛イメージ     ○
後頭骨骨系刺激     ○

 
6回目:8日後来院 2024年8月26日
 
患者コメント(愁訴)
前回の施術後から、「どうにかなる」と言う気持ちがでてきて頭痛に対して不安に感じることも少なくなってきた。
 
症状の数値化
 
症状の程度(0〜10) 2/10
予期不安(0〜10) 2/10
CGI-I(改善の程度:1〜7) 1/7
CGI-S(初診時の重症度:1〜7) 1/7 

 
PCRT目安検査
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展  ○  
頭痛イメージ  ○  
後頭骨骨系刺激  ○  

 
ハード面調整法
AMベーシック
 
ソフト面調整法
PCRT認知調整法
 
情報系EB 身体EB 反応言語 内容 調整後
頭痛イメージ+後頭骨  信仰心 ご主人ともっと気持ちを通じ合わせるべきだ
                   ⇓
信仰している宗教の教えを守らないといけない
陰性化

 
目安検査の再評価結果
 
  陽性  陰性
基本バランス:頚部伸展     ○
頭痛イメージ     ○
後頭骨骨系刺激     ○

 
 
考察:
 
毎日鎮痛剤を服用しないと日常生活が送れない頭痛の症状に対し、その軽減を目的にPCRTの施術を施した結果、頭痛の軽減と鎮痛剤の服用を大幅に減らすことができた。現在も施術継続中であるが、現時点での症例報告をさせていただく。
 
本症例のポイントは、反応言語とその内容を患者さん自身が認知し納得できたのが早期改善につながったのではないかと考える。
毎回、施術の内容をご自身が反芻し、次回来院時にこういう気づきがあったと報告してくれご自身の中に落とし込めたのがさらに良い結果につながったと言える。
今回、色々な医療機関で改善しなかった頭痛に対して鎮痛剤を大幅に減らすことができたが、患者さん自身の中に頭痛に対する不安感がまだ少なからずあり、症状改善の余地が残されている。
今後、施術者である私自身がPCRT施術の理解をもっと深め、より的確に誤作動記憶を引き出せるようになると、これまで以上に患者さんのお役に立てるのではないかと考える。