PCRT症例報告 標準フォーマット・作成ガイド

PCRT CASE REPORTS / FORMAT GUIDE

PCRT症例報告 標準フォーマット・作成ガイド
— 「症例の紹介」「PCRT臨床ノート」共通の書式

日々のカルテに残した数値・検査所見・調整プロセスを、この順序に沿って整理すれば、そのまま症例報告としてまとめられます。 書式は二つの提出先で共通で、必要とされる項目の範囲だけが異なります。構成はWordテンプレートと完全に一致しています。

発行: Life Compass Academy(LCA) | 監修: 保井 志之(PCRT創始者・編集長) | 全8症状タイプ対応

共通必須 どちらに提出する場合も必要 臨床ノートのみ PCRT臨床ノートに提出する場合に必要 任意 症例に応じて

Aこのガイドの目的と、二つの提出先

本書は、PCRTセミナー受講者が臨床の記録を一定の様式で症例報告にまとめ、提出・掲載につなげるための規定書式です。 書式を統一する狙いは、体裁を整えることではなく、症例どうしを比較でき、PCRTの臨床思考が読み手に伝わる報告を、誰が書いても再現できるようにすることにあります。

PCRTでは、症例の記録を「症例の紹介」と「PCRT臨床ノート」という二つの形で公開しています。 上下の関係ではなく、想定する読者が異なります。書式はこのガイドと一つのテンプレートで共通です。

症例の紹介 PCRT臨床ノート
想定する読者 PCRTを学ぶ施術者、施術を受けることを検討されている方 研究者、他分野の医療者、PCRTの検証に関心を持つ専門家
掲載までの流れ 編集部が個人情報の保護と記載内容を確認したうえで掲載。専門家による査読は行いません。 複数の施術者が所定のシートで査読し、編集部が1通の修正依頼書にまとめて返送。修正を経て掲載します。
通院経過の書き方 形式A(記述形式)。各回の所見を文章で書きます。1回あたり3〜5行程度。 形式B(表形式)。各回の検査所見を所定の表に記入します。
必要な項目 【共通必須】の項目 【共通必須】+【臨床ノートのみ】の項目
認定条件の症例報告 認定条件として提出する症例報告は、こちらに提出します。 学術的な記録を目的とする報告。認定とは独立しています。
どちらに出すか迷う場合。 まずは「症例の紹介」で構いません。書き上げたあとに③はじめにを加え、通院経過を形式Bの表に書き直せば、そのまま臨床ノートへ提出できます。 項目を減らした簡易版ではなく、 同じ書式の中で記述の形式が違うだけですので、後から進むことができます。

誰が書くか

PCRTセミナー受講者・PCRT認定を目指す施術者・PCRT認定施術者。自院の実際の症例を匿名化して報告します。

何に使うか

PCRT認定者条件を満たすための症例報告、掲載のための確認・査読、院内・研究会での症例共有。

査読の姿勢

「弾く」ためではなく、修正・掲載に向けた発達的・支援的サポート。複数名の査読者が所定のシートに記入し、編集部が1通の修正依頼書にまとめてお返しします。書式が揃うほど的確な助言が届きます。

B対象となる症状タイプ(8分類)

PCRT症例報告は症状の幅が広く、以下の8タイプを対象とします。どのタイプでも構成(C章)とスケール(D章)は共通です。 異なるのは「検査で何を診るか」「どの誤作動記憶を辿るか」という着眼点だけ。各タイプに、報告で特に押さえたい視点を添えました。

1

筋骨格系症状

目安検査・ハード面調整(AM等)の所見を明記。構造だけでなく、症状が戻る背景の誤作動記憶(機能)まで辿る。

2

自律神経系症状

パニック症状・発汗・動悸・息切れ・消化器症状・予期不安など。物理トリガーと心理社会的トリガーを弁別し、情報系EB(場面イメージ)の収束を追う。

3

めまい症状

前庭系・小脳系・頸部の身体系EBに加え、転倒・不安・恐怖に関わる誤作動記憶。予期不安のスケール化が有効。

4

メンタル系症状

不安・パニック・抑うつ等。回ごとに検出された反応言語を丁寧に記録する。予期不安スケールの併記が特に有効。

5

アレルギー症状

アレルゲンへの情報系EB。感作の場面・当時の情動記憶を辿り、過剰反応の前提を書き換える。

6

婦人科系の症状

月経・更年期・不妊関連等。身体系EBと役割・対人の誤作動記憶。開示配慮(F章の3層)を特に慎重に。

7

内臓機能系の症状

消化器・呼吸器等の機能的愁訴。内臓体壁反射などの身体系所見と情動・場面の誤作動を並行して診る。

8

イップス・ジストニア系

運動プログラムの誤作動。動作イメージEB・パフォーマンス場面が中心。AM等の併用所見も明記。

年齢や対象は分類の軸ではありません。 乳幼児の症例は、症状に応じて上記8タイプのいずれかに含めてください(年齢はⅠ. ⑤患者情報に記載します)。

C報告の構成(Ⅰ〜Ⅴ)

報告は5部構成です。Wordテンプレートの見出しと完全に一致していますので、テンプレートを上から順に埋めれば、この構成になります。 Ⅱ. 通院経過が報告の中心であり、ここだけ提出先によって記述の形式が変わります。

Ⅰ. 症例報告の基本情報
報告者情報+①〜⑧
Ⅱ. 通院経過(回毎の記録)
形式A または 形式B
Ⅲ. 考察
経過が示したことの解釈
Ⅳ. 倫理的配慮
公開同意の記録
Ⅴ. 参考文献
引用がある場合のみ
Ⅰ. 症例報告の基本情報 報告者情報・① 〜 ⑧

報告者情報 共通必須

記載内容
氏名/所属院・所在地/臨床歴(開業歴)/報告日/保有資格(PCRT・AM認定など)
ポイント
後で掲載可否や査読の連絡に用いるため、正確に。臨床歴は「臨床歴◯年(開業◯年)」の形が読み手に伝わりやすい。

① タイトル(症例テーマ) 共通必須

記載内容
症状+その症例の核心を表す一文。例:「経営者の多汗症 — プレゼンで額を伝う汗の奥にあった『緊張しなければ失礼だ』という誤作動記憶」
ポイント
主訴(何が)と、辿り着いた核心(なぜ)が一目で伝わるように。 患者名は出さず、年齢帯・性別・職業程度の匿名化に留める。
結果の書き方にも注意する。判断の基準は 症状の程度(NRS)と主訴の残存であり、予期不安ではない。
「完治」
最終回の NRSが0で、主訴が消失し、日常生活・動作に支障がなければ「完治」と記載してよい。 予期不安は0でなくてよい——症状が消えても「また出るのではないか」という感覚がしばらく残るのは自然であり、1程度の残存は「完治」の記載を妨げない。
一方、最終回に NRSが1以上残っている場合や、「たまに痛むことがある」など症状の残存が本文に書かれている場合は、「完治」ではなく 「症状消失」「NRS 8→1へ大幅改善」など記録に沿った表現を用いる。症状が残っているのに「完治」と書くと、通院経過の記録と矛盾する。
なお「完治」は 主訴が消失した状態を指す語であり、再発しないことを保証するものではない。

② 症例要約 共通必須

記載内容
結果(例:NRS 10→2へ改善)/治療期間・通院回数/主な調整法/経過の要点/ 転機(ターニングポイント)
ポイント
本文を読まなくても全体像が掴める「要約」に徹する。回ごとに検出された反応言語を一行で並べると全体の見取り図になる。
結果欄の表現は、最終回の数値と食い違わないようにする(「完治」の目安は①タイトルの項を参照)。

③ はじめに 臨床ノートのみ

記載内容
この症例を取り上げる理由(何を確かめたかったか/どこが臨床的に興味深いか)。 2〜4行程度。学術的な背景がある場合はここで簡潔に触れる。
ポイント
患者像や結果は②症例要約・⑤患者情報に書くため、 ここでは繰り返さない。②が「何が起きたか」、③が「なぜ読む価値があるか」という別々の問いに答える。Ⅲ. 考察は、ここで立てた問いに答える形で書くと自然にまとまる。
提出先
学術的な記録としての位置づけを示す項目のため、 「症例の紹介」に提出する場合は不要です。

④ 主訴・患者の愁訴 共通必須

記載内容
主訴(患者自身の言葉で)/副症状。初診時のNRS。
ポイント
患者が途中で思い出したように訴える 副症状は、その回のメモとして都度記載する。主訴との関係も後で辿れるようにしておく。

⑤ 患者情報(匿名化) 共通必須

記載内容
年齢帯・性別・職業/患者の特徴(内省的、理想が高い等)/既往/ 医科的所見・除外診断
ポイント
個人が特定される情報(氏名・詳細な地域・勤務先固有名等)は排除。F章の3層構造に基づき、 載せてよい情報だけを記す。
医科的所見
医療機関での検査・診断を受けているか、受けている場合はその結果(画像所見・診断名など)を記す。 受けていない場合や、検査で異常が認められなかった場合も、そのとおりに書けば十分。一文で構わない。Ⅰ. ⑥発症からの経緯に書いてもよい。

⑥ 発症からの経緯 共通必須

記載内容
いつから/どんな場面で/どのように推移したか。誘因と考えられる出来事があれば。 医療機関での検査・診断の有無とその結果、専門医への受診が必要と考えたかどうかの判断も記す(⑤に書いた場合は重複不要)。
ポイント
「どの場面で症状が出るか」は、後にどの誤作動記憶を検査で辿るかの入口になる。場面(トリガー)を具体的に。
注意
構造的破綻を伴う症例が含まれうる領域(スポーツ障害・外傷歴のある症例など)では、 医科的除外診断や安全性への配慮が読み取れないまま掲載されると、読者の誤解を招く。既往に外傷や手術がある場合は、その扱いにも触れておく。

⑦ 評価スケールの定義とスケール表 共通必須

記載内容
全通院回の 4指標(症状の程度NRS・予期不安・CGI-S・CGI-I)を一覧表に。スケールの定義はD章を参照。
ポイント
この表は転記の一覧です。記録原本はⅡ. 通院経過の各回②数値化であり、そこに記入した値をこの表へ写します。 両者の数値は必ず一致させる。食い違う場合はⅡ. ②を正として、この表を直す。
注意
評定していない回がある場合は、空欄ではなく 「未評定」と記入する。この表に毎回の数値が入っているのに、Ⅱ. ②が「初回のみ評定」「―」となっていると、経過が実際にどう評定されたのかを読み手が追えない。

⑧ 治療経過グラフ(回数毎の折れ線グラフ) 共通必須

記載内容
4指標すべての推移を折れ線で可視化。横軸=通院回(日付)、縦軸=スケール値。凡例で4本を区別できるようにする。
ポイント
主観(NRS・予期不安)と臨床評価(CGI-S・CGI-I)が並走して改善している様子が一目で伝わる。CGI-Iは第2回以降からプロット。
作り方
Excelのひな形を配布しています。スケール表の枠に数値を入力すると、折れ線グラフが自動で描かれます。できたグラフを右クリックしてコピーし、Wordテンプレートの⑧欄に貼り付けてください。
▶ スケール表グラフ ひな形(Excel)を開く
⑦⑧はレポート上の「配置」であり、記入の順序ではありません。 スケール表とグラフはⅡ. 通院経過より前に置きますが、実際の作成手順は「Ⅱ. 通院経過を先に書き、各回の数値を⑦へ転記し、そこから⑧のグラフを作る」が現実的です。 読み手は⑦⑧で全体の推移を掴んでから、Ⅱで各回の詳細を追うことになります。
Ⅱ. 通院経過(回毎の記録) 形式A または 形式B / 通院回数分だけ繰り返す

記入の形式は2種類 共通必須

形式A
記述形式。「症例の紹介」に提出する場合。各回の所見を 文章で書きます。
形式B
表形式。「PCRT臨床ノート」に提出する場合。各回の検査所見を 所定の表に記入します。
共通
記録する内容そのものは同じです。どちらの形式でも、Ⅰ. ⑦のスケール表と⑧の折れ線グラフは全回分が必要です。

【形式A】記述形式 — 「症例の紹介」に提出する場合

① 患者のコメント
その回の愁訴・変化を、できるだけ患者自身の言葉で。
② 数値化
4指標すべて(症状の程度NRS・予期不安・CGI-S・CGI-I)。 術前値を記載する。表にせず一行で構わない。
③ その回の経過
どの検査で何に反応したか、どの反応言語・誤作動記憶が確認されたか、どう調整して反応がどう変化したかを 文章で。1回あたり3〜5行程度が目安。
記入例

「快速電車内での尿意イメージ」に情報系EB陽性。認知調整では「恐れ」「執着心」の反応言語が確認され、職場の人間関係・中学時代の対人経験との関連が明らかに。調整後EB陰性化。

専門用語は控えめに、しかし検査所見は残す。 「症例の紹介」は患者様も読むページですが、EB検査の分類(身体系・情報系)や反応言語は PCRT報告の骨格ですので、記述形式でも残してください。 用語を全て外すと、何をした記録なのかが伝わらなくなります。

【形式B】表形式 — 「PCRT臨床ノート」に提出する場合 臨床ノートのみ

① 患者のコメント
その回の愁訴・変化を、できるだけ患者自身の言葉で。
② 数値化
4指標すべて術前値を記載する。 この欄がその回の記録原本であり、Ⅰ. ⑦へはここから転記する。
③ 目安検査
一般検査を含む。どの検査で何を検出したか。実施していない場合は 「未実施」と明記する。
④ EB検査
身体系/エネルギー系/情報系のどれで反応したか。 イメージ系(動作・場面のイメージ)は情報系に含まれるため、分類は3つ。用語は3分類で統一する。
⑤ 調整法
ハード面・ソフト面の両方。 使用テクニックと対象部位が特定できるように書く。 ソフト面のプロセス記載は必須(E章)。ハード面調整法のみの症例では、ハード面の記載のみで可。
ソフト面の表には、反応言語・関連言語・詳細・内容を記入する。 反応言語は辺縁系チャート(基本感情・価値観・信念1・信念2)、 詳細は詳細チャート(時系列・分野・立場)の分類を用いる。検査で用いた分類は⑥ではなくこの表に記入する。
⑥ 特記コメント
任意 その回の所見メモ・気づき・患者の反応・転帰。検査で用いた分類(基本感情・価値観・信念・時系列・分野・立場)は⑤の表に記入するため、ここには重ねて書かない。

数値の扱い 共通必須

原則
報告には 術前値を記載する(術後値は臨床用カルテのみ)。毎回の術前値の推移で、症状が段階的に下がっているかを示す。
役割
症状の程度・予期不安は 患者の主観、CGI-S・CGI-Iは 施術者の評定。いずれも その回の施術時に記入する。あとからまとめて埋めるのではなく、評定した時点で残すことが記録の正確さにつながる。
ポイント
ここがPCRT報告の心臓部。陽性→陰性の反応推移も記す。テンプレートのⅡ章ブロックを通院回数分だけ複製して使う。

未実施・該当なしの欄の扱い 臨床ノートのみ

原則
実施しなかった検査・調整の欄は、 空欄にせず「未実施」または「該当なし」と記入する。空欄のままだと、実施していないのか記載漏れなのかが読み手に判断できない。
ポイント
実施したうえで異常がなかった場合は「特記なし」ではなく 「実施、異常なし」と書くと、何を確認したうえでの判断なのかが伝わる。その回にまったく該当のない表は、 表ごと削除して構わない
Ⅲ. 考察

考察 共通必須

記載内容
経過が示したこと/回ごとに検出された反応言語の意味/転換点の機序/ PCRTの治療哲学・概念(誤作動記憶・機能重視・肯定的意図など)がどう働いたか。改善しにくかった要因があれば、それも率直に。
ポイント
「PCRTの概念が反映されていること」はここで示される。断定を避け、検査所見に基づいて記述する。「症例の紹介」に提出する場合は、1段落程度の短いものでも構わない。
注意
考察の主張は、必ず通院経過の記録から辿れるようにする。「◯回目が転機だった」と述べるなら、その根拠を数値・患者の発言・検査所見と結びつけて示す。記録にない事柄を根拠にする場合は、 「推察である」旨を明記する(F章LAYER 03)。患者の言葉なのか施術者の解釈なのかが曖昧な記述は、読み手に誤解を生む。
Ⅳ. 倫理的配慮 公開同意の記録

倫理的配慮 共通必須

記載内容
公開の同意について、 取得時期(施術開始前/経過後)、 取得方法(書面/口頭)、患者が未成年の場合の 保護者の同意の有無。あわせて、報告に掲載する一文を記す。
記載文の例:「本症例の報告および公開について、施術開始前に患者様本人(未成年の場合は保護者)へ説明し、同意を得た。報告にあたり、個人が特定される情報は含めていない。」
ポイント
同意は 可能であれば施術開始前に取得する。経過が出てから依頼すると、患者様は断りにくい状況に置かれる。先に得ておけば、記録の質と患者様の自由度の両方が守られる。 口頭での同意も有効であり、同意を得た事実と時期が記録されていることが重要。
注意
この項目は、提出先にかかわらず同一の基準です。「症例の紹介」は査読を経ませんが、公開される記録であることに変わりはありません。
経過が出た後に取得した場合も、そのとおりに記載する。記載が事実に沿っていることが優先される。また「報告への記載文」は 掲載時にそのまま報告へ掲載されるため、氏名・勤務先など個人が特定される語を含めない。
院として全患者から研究協力の同意を得ている場合も、 本文にその旨を記載する。運用として存在していても、報告に書かれていなければ読み手には確認できない。
Ⅴ. 参考文献 引用がある場合のみ

参考文献 任意

記載内容
神経科学・心理学的な裏づけを引く場合の出典(予測処理・内受容予測・アロスタシス等)。
ポイント
提出先にかかわらず任意です。文献リストの有無が報告の評価を左右することはありません。
ただし、 考察でその症例の観察を超える主張をした場合は、その箇所に出典を付してください。機序に踏み込んだ説明をするなら根拠を示す、「このケースではこう見えた」に留めるなら不要、という切り分けです。
書き方
本文の該当箇所に 1) 2) の番号を入れ、末尾の一覧と対応させる。引用がなければ、この項目は削除して構わない。

D評価スケールの定義

4指標の定義は提出先にかかわらず共通です。評定のタイミングも同じで、CGI-Sは毎回、CGI-Iは第2回以降に評定します。

スケール 範囲 評定タイミング 評定するのは 何を測るか・評定の考え方
NRS
症状の程度
0–10 毎回 患者 患者の主観的な症状の程度。0=症状なし、10=最悪。術前値を記載する。
予期不安 0–10 毎回 患者 その場面・動作で症状が出るのではないかという不安。メンタル系・パニック既往例では特に重要。身体症状とは独立に追うことで、両者の連動が可視化される。
CGI-S
重症度
1–7 毎回 施術者 臨床全般重症度。1=正常〜7=最重度。毎回評定する(従来の「初診時のみ」の扱いから変更した点)。
CGI-I
改善度
1–7 第2回以降 施術者 臨床全般改善度。1=著明改善〜4=不変〜7=著明悪化。NRS(患者の主観)とPRT検査結果を複合して評定する。初診時は基準点のため付さない。
数値の原則:症例報告には 術前値のみを掲載します(術後値は治療効果の確認・患者の実感として臨床用カルテで記録)。 毎回の術前値がどう推移したかが、段階的な改善の証跡になります。
数値は必ずしも単調に下がりません。 改善の途中で一時的に戻ることは臨床では珍しくなく、そのまま記録してください。 上下のある経過を隠さずに書いた報告のほうが、読み手には信頼できる記録として伝わります。
グラフは Excelのひな形に数値を入れれば自動で描かれます(C章 Ⅰ. ⑧を参照)。

EPCRT調整プロセスの記載要件

ハード面はどのテクニックを併用してもよいが検査所見の明記が必須ソフト面はプロセスの記載そのものが必須です。 いずれもⅡ. 通院経過に記述します。形式A(記述形式)では文章の中に、形式B(表形式)では所定の表に記載してください。
なお、PCRT症例報告はソフト面調整法(認知調整法)を中心とした報告が主となりますが、 PCRTハード面調整法のみの症例も対象です(下記の補足を参照)。

ハード面調整法

身体・機能へのアプローチ

  • 目安検査・EB検査の結果を明記 共通必須:どの検査で何を検出したか。
  • PCRTハード面調整法(振動調整法・意念調整法)以外の調整法(AM・鍼灸・理学療法・その他)を併用してよい。
  • ただし併用した場合も、PCRTの目安検査・EB検査の所見は必ず記載する。
  • 使用テクニック(振動調整法・意念調整法、その他)と対象部位を具体的に。例:腰椎軟骨系 L5/S1間、頭蓋部:側頭骨・甲状腺部。
  • 一般的検査(可動域・圧痛・動作痛等)は、実施したうえで異常がなければ「実施、異常なし」と書く。「特記なし」だけでは、何を確認したのかが伝わらない。

ソフト面調整法

誤作動記憶へのアプローチ

  • 目安検査・EB検査カテゴリ:身体系/エネルギー系/情報系のどれで反応したか。動作・場面のイメージで反応した場合は情報系に含める(イメージ系という独立分類は設けない)。
  • 反応言語辺縁系チャート(基本感情・価値観・信念1・信念2)の語をそのまま用いる。カルテの分類欄は略記のため、そのまま転記しない。
    同じ検査部位に複数の反応が出た場合は関連言語として併記し、反応がなければ「なし」と記入する。
  • 詳細詳細チャート(時系列・分野・立場)の分類を記入する。時系列は反応が示された場合のみ記載し、示されなければ現在進行形として扱うため記入は不要。例:「息子(13年前)」「野球」「自分関係」。臨床ノートのみ
  • 誤作動記憶:その内容と起源(背景)。いつ・どんな場面で学習されたか。
  • 認知調整法のプロセス:問いかけ・肯定的意図の確認・書き換え。
  • プロセスの記載が必須 共通必須:結果だけでなく「どう辿ったか」を書く。
  • 反応の推移:陽性→陰性(改善)の変化を記す。陰性所見の併記も有効で、症例の焦点がどこにあるかを対照として示せる。
  • 回ごとの記述:検査ではメジャーな反応が優先されるため、回ごとに検出される反応言語は異なる。「さらに」で同じラインを深掘りする場合も、「他に」で別カテゴリーの反応が示される場合もあるため、反応言語が一本の線でつながっているかのような書き方(深層へ移動・階層を降りる等)は用いない。「回ごとに検出された反応言語は〜であった」と事実を記す。
ハード面調整法のみの症例報告について。 PCRT症例報告は、ソフト面調整法である認知調整法を主とした報告が多くを占めますが、 PCRTハード面調整法のみの症例も対象とします。 その場合、 認知調整法における反応言語に関する記述は不要です。 ただし、目安検査・EB検査の所見、使用したハード面調整法とその対象部位、および反応の推移(陽性→陰性)の記載は、ソフト面を含む症例と同様に必要です。

F記載の3層構造(開示・非開示・推察)

症例報告には患者のデリケートな内面が含まれます。混同を避けるため、内容を次の3層で区別して扱います。特に婦人科系・メンタル系・トラウマに触れる症例では慎重に。 この区別は提出先にかかわらず共通です。

LAYER 01

① 開示

患者が語り、報告に載せてよいと確認できる内容。匿名化を前提に記述する。公開の同意は施術開始前に得ておくと、記録の質と患者の自由度の両方が守られる。取得時期・取得方法はⅣ. 倫理的配慮に記載する。

LAYER 02

② 非開示

個人特定につながる情報や、患者保護のため報告に載せない内容。要点のみ抽象化するか、割愛する。

LAYER 03

③ 施術者の推察

検査所見から施術者が解釈・推論した内容。「推察」と明示し、事実(患者が語ったこと)と分けて断定を避ける。Ⅲ. 考察で推論を述べる際も、この区別を保つ。

G掲載の条件

提出先によって確認の手続きが異なります。①②は両方に共通で、③④は査読で確認される項目です。

症例の紹介 PCRT臨床ノート
確認する人 編集部 複数の施術者による査読+編集長
確認すること 個人情報の保護、公開同意の記載、明らかな誤りの有無 下記①〜④のすべて
結果の返し方 修正が必要な場合、編集部から個別に連絡します。 査読者の指摘を編集部が1通の修正依頼書にまとめてお返しします。
  1. 規定書式に準じていること。本ガイドC章の項目を、提出先に応じた範囲で満たし、⑦スケール表・⑧折れ線グラフを備えていること。医科的所見・除外診断への言及Ⅳ. 倫理的配慮があること。(両方に共通)
  2. PCRTの治療哲学・概念・特徴が反映されていること。誤作動記憶・機能重視・肯定的意図などが、経過やⅢ. 考察に表れていること。考察の主張と通院経過の記録との間に矛盾がないこと。(両方に共通)
  3. ハード面は他テクニック併用可。ただし検査所見は必須。AM・鍼灸・理学療法等を加えてもよいが、PCRTの目安検査・EB検査の結果を明確に記すこと。(臨床ノートの査読項目)
  4. ソフト面調整法のプロセスの記載。反応言語・誤作動記憶・認知調整のプロセスが辿れるように書かれていること。
    ※ 本条件は認知調整法を用いた症例に適用されます。PCRTハード面調整法のみの症例も対象であり、その場合は反応言語に関する記述は不要です(条件①〜③は適用されます)。(臨床ノートの査読項目)
PCRT症例報告 標準フォーマット・作成ガイド | 監修 保井 志之(PCRT創始者)
心身条件反射療法(PCRT)/ Life Compass Academy
症例報告の全体像は 症例報告 へ |  書式のダウンロード・提出方法は 症例報告の提出方法と見本・テンプレート